小樽市立病院初期臨床研修プログラム

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1.研修プログラム(令和8年4月30日時点)

1-1 当院の概要、基本理念、基本方針及び倫理指針

【概要】
 小樽市は道央圏に位置し、約10万1千人の人口を有する港町、観光都市として知られています。
 当市の市立病院は、明治・大正期の官立や公立だった時代を含め、小樽・後志地区における医療の中心的役割を担ってきましたが、平成26年12月に「市立小樽病院」と「小樽市立脳・循環器・こころの医療センター」を統合・新築し、「小樽市立病院」として新たなスタートを切りました。
 小樽市立病院では、病院の基本方針を構成する四つの柱として「がん診療」、「脳・神経疾患診療」、「心・血管疾患診療」、「認知症疾患診療」を掲げ、後志二次医療圏の基幹病院として高度・急性期医療を担い、救急医療にも積極的に取り組むこととしています。
 地域に向けた取り組みとしては、昭和44年に公設公営では全国で初めてとなるオープン病床を小樽市医師会と共同で開設して以来、長きにわたり運営を継続し地域医療に貢献してまいりました。
 また、施設認定の面では令和3年4月に地域がん診療連携拠点病院に指定、同年6月に「病院機能評価の更新認定を取得、令和6年4月に後志圏域で初の「地域医療支援病院」に承認されました。
このほか、感染症指定医療機関、災害拠点病院等の指定も受けています。

【基本理念】
小樽市立病院は、市民に信頼され質の高い総合的医療を行う地域基幹病院を目指します。

【基本方針】

  1. 患者の人権を尊重し、患者中心の医療を行います。
  2. 病院の運営は急性期医療を主体とし、救急・災害医療の充実に努めます。
  3. 質の高い医療を実践するため、患者サービスの充実、医療安全の確保、チーム医療の推進及び人材の育成に努めます。
  4. 地域の医療機関や保健・福祉分野との連携を進め、地域医療を支えます。
  5. 健全で自立した病院経営に努めます。

【倫理指針】

当院の全職員が共有すべき倫理指針は、「患者中心の医療を目指す」ことである。

1-2 当院の臨床研修の理念、基本方針、目標及び研修医心得

【臨床研修の理念】

医師としての人格をかん養し、将来の専門性にかかわらず広くプライマリ・ケアの基本的診療能力(態度・技能・知識)を身に付け、地域医療で求められる医師を育成する。

【臨床研修の基本方針】

  1. 協力型病院や臨床研修協力施設とともに当院全職員が参画し、臨床研修医を育成する。
  2. 指導体制の充実と効率的な臨床研修システムを構築する。研修医の研修到達目標を完遂させるためのプログラムを指導医、研修医、関連スタッフの協力の下に作成し実行する。
  3. 第三者による評価検証を受けることにより、臨床研修病院としての質向上に努める。

【臨床研修の目標】

  1. 基本的な診療姿勢の習得
    ・患者や家族との良好な人間関係を構築できるようにする。
    ・患者を身体的、心理的、社会的側面から総合的に判断できる能力を身に付ける。
    ・他の医療スタッフと協調しチーム医療を円滑に遂行できる。
    ・守秘義務厳守、患者個人のプライバシーについて配慮できる。
  2. 基本的診療能力の習得
    ・ひとつひとつの臨床症例を大切にし、「根拠に基づいた医療」を行える能力を習得する。
    ・日常診療で頻繁に遭遇する疾病や病態を把握し、適切な治療を行える基本的診療能力を身に付ける。
  3. 安全な医療の実践
    ・感染対策、医療安全対策に関する基本を理解し、安全な医療を実践できる。
  4. 学術活動
    ・生涯学習につながる自己学習能力を養成するために学術活動を行う。
    ・カンファレンスや学術集会に積極的に参加し、さらにそこで発表できるようにする。

【研修医心得】

  1. 社会人としての自覚
    どんな職業についても、挨拶、感謝、身だしなみなどは社会人としての基本的な礼儀であることを、自覚しなければならない。
  2. 人間性
    医の倫理に則った医療を実践し、一社会人としての人間性を身に付ける。特に患者や家族に対し、理解と優しい心を持って接するとともに、医療内容についてよく説明し、信頼を得るようにしなければならない。
  3. 協力・協調
    チーム医療をよく理解し、他の職種との協力・協調に努め、ルールに従って行動しなければならない。
  4. 診療
    診療は細心の注意を払って合理的かつ計画的に行うとともに、責任を持ってその診療についての事務的処理を行わなければならない。
  5. 勉学
    カンファレンスや研究会などに進んで参加し、発言・発表に努めなければならない。
  6. 信頼
    冷静な態度と言動・清潔な身だしなみは、他人から信頼を得るための基本であることを自覚しなければならない。
  7. 時間
    約束した時間を守ることに努め、就業中は所在を明らかにしなければならない。
    また、就業時間外であっても必要に応じて対応できるようにしなければならない。
  8. 報告
    診療に従事する中で不測の事故が発生した場合、またはその発生が想定される場合は速やかに指導医、医局長、診療科長及びリスクマネージャーにその旨を報告しなければならない。

1-3 研修プログラムの名称等

  • プログラムの名称:小樽市立病院初期臨床研修プログラム
  • プログラム責任者の氏名:放射線診断科主任医療部長 市村 亘
  • 研修の開始時期:令和9年4月1日

1-4 研修プログラムの目的と特色

【目的】

医師として第一歩を踏み出すに当たり、プライマリ・ケアと救急を中心とした基礎的知識、技術、態度などの基本的臨床能力を身に付け、患者の心理的、社会的側面を含む全人的医療を身に付けることを目的としています。

【特色】

  • 内科研修の期間中に、消化器内科、呼吸器内科、循環器内科の各指導医による一般外来研修を行うほか、入院患者を診療してCommon Diseaseや診療の多様性を学ぶことができます。
  • 各診療科には研修医が集中しないよう配慮することとし、豊富な症例を経験するとともに多くの技術を習得することができます。
  • 診療科間の垣根が低く、互いに協力しておりますので、診療科の枠を越えた診療を経験することができます。
  • プライマリ・ケアの基本的な診療能力を身に付けるために、研修医は研修医当直として当直勤務を行い、救急研修に当たります。その際は当直医として上級医が常駐しておりますので、連携しながらの対応が可能です。(日直は月に1回、宿直は週に1回が上限)
  • 研修1年目は必修科目の研修を院内で行い、2年目は院内・院外で希望科を研修できる自由選択の期間を多く設定しています。
  • 初期臨床研修医が学んでおくべき基本的事項について、毎週1回、医師やコメディカルが講師となり、「研修医レクチャー」を開催しています。
  • 学びの場として講習会やセミナーは重要であり、研修プログラムの必修項目、初期研修で学んでおくべき項目、その他にも病院の機能維持に係る内容など、様々な講習会への参加状況を研修医評価に取り入れられる体制を整えています。
  • 臨床研修管理委員会の下部組織として臨床研修推進部会を設け、医師、看護師、コメディカル等のスタッフが臨床研修の実施に係る問題点や改善点について、随時協議・検討を行い、研修の更なる充実を図っています。
  • 文献検索は「メディカルオンライン」、「医学中央雑誌」、「Clinical Key」、「Up-To-Date」などが利用できる環境を整えています。
  • 基本的臨床能力評価試験により、自ら客観的な臨床能力の実力を知り、今後の研修において力を入れるべき分野・領域を把握できるようサポートしています。
    (※主催:日本医療教育プログラム推進機構JAMEP)
  • 将来の各種専門医取得に向けた学会発表、臨床研究等の指導体制も充実しています(学会・研究会参加費用の病院負担あり)。

1-5 臨床研修の到達目標、方略及び評価

令和9年度小樽市立病院初期臨床研修プログラムの8ページ以降をご参照ください。

1-6 研修プログラムの内容

〇研修ローテーションの一例(4週を1ブロックとし、年間52週で13ブロックの研修を行う)

(自由選択9ブロックのうち4ブロックは4週のうち1週を総合診療とする。) 

【研修を行う分野】

Ⅰ 必修・選択必修

 ア 必修 1年次※1:内科(24週)、外科(8週)、救急(12週)、産婦人科(8週)、精神科(4週)
      2年次※2:小児科(4週)、地域医療(4週)、総合診療(8週)
 イ 選択必修(2年次)※2:心臓血管外科、脳神経外科、整形外科、形成外科から選択(4週)
 ウ 一般外来:内科、外科、小児科、地域医療、総合診療ローテーション中に実施。(20日以上)
 エ その他:基本的な診療に必要な分野・領域に関する研修。(随時実施)
       ~ 感染対策、予防医療、虐待への対応、社会復帰支援、緩和ケア、アドバンス・
        ケア・プランニング(ACP)、臨床病理検討会(CPC)

※1

  • 内科は呼吸器内科、消化器内科、循環器内科での研修となる。
  • 救急は連続する8週と休日夜間当直(20回で4週相当)を合わせて12 週とする。(並行研修)
  • 産婦人科は原則として1年次とするが、研修医本人の希望がある場合、又は研修ローテーション人数が集中しないように調整した場合は2年次とすることがある。なお、当院は婦人科中心となるので産科研修に関しては小樽協会病院など協力病院と連携して実施する。

※2

  • 地域医療は朝里中央病院、東小樽病院、余市協会病院、済生会小樽病院、寿都町立寿都診療所から選択する。
  • 総合診療は連続する4週と自由選択期間中の1週×4回を合わせて8週とする。
  • 2年次の必修及び選択必修の時期は同時に多くの研修医が重複しないよう病院側で指定した時期から選択する。

Ⅱ 必修・選択必修以外(自由選択)

 院内及び院外の各診療科・分野から32週を選択。なお、「臨床研修の理念」にあるとおり、広くプライマリ・ケアの基本的診療能力を身に付けるとともに、将来の専門以外にも広く目を向け、様々な診療科で研修を行うことを推奨しており、同一診療科の研修期間は大学病院を含め24週を上限とする。

ア 院内※3:上記Ⅰの各診療科、腎臓内科、脳神経内科、皮膚科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、
       放射線診断科、放射線治療科、病理診断科

イ 院外※4:①大学病院(札幌医科大学附属病院、北海道大学病院)の各診療科
②地域医療(上記Ⅰに同じ)
③小樽市保健所:保健・医療行政

※3

  • 詳細は「各診療科研修プログラム」を参照のこと。なお、診療科や指導医の状況、又は研修ローテーション人数の調整等により、希望科を選択できない場合や研修時期が限られる場合がある。
  • 脳神経内科では指導医の判断により北海道脳神経外科記念病院、北海道医療センターでの短期研修を実施。

※4

  • 大学病院の研修は、原則として当院での研修が困難な診療科に限り、期間は8週又は2か月を上限とする。 また、研修時期は同時に多くの研修医が重複しないよう病院側で指定した時期から選択する。

1-7 研修医の指導、評価、修了に係る体制

  • 当院は指導面の資質向上及び適切な指導体制の確保を目的として、対象となる医師全員に対して指導医講習会の受講を勧めています。
  • 評価ツールとして研修医評価システムPG-EPOCを導入し、研修医はスマホ等により随時自己評価を入力できるほか、研修医手帳を提供し研修内容を随時記録できる体制を整えています。
  • 臨床研修の修了基準については厚生労働省通知※1に定めるものに加え、当院の臨床研修管理委員会が定めるところによります。
  • 指導医は研修医の目標達成状況を把握するとともに、ローテーション終了後に研修医評価票により、評価内容をプログラム責任者に報告します。
  • プログラム責任者は指導医からの報告を受け、修了基準に照らし不足が見込まれる場合は指導医への情報提供、研修医のローテーション調整など、全研修期間を通じて研修医の指導・管理を行うほか、少なくとも年2回、到達目標の達成度について研修医に対し形成的評価を行います。
    また、研修プログラム終了の際に、研修医の目標達成状況を達成度判定票により、臨床研修管理委員会に報告します。
  • 同委員会はプログラム責任者からの報告に基づき、研修修了認定について評価を行い、臨床研修病院管理者である院長に報告します。
  • 院長は同委員会からの評価報告に基づき、修了したと認めるときは、当該研修医に対して臨床研修修了書を交付します。

(指導、評価、修了のフロー図)

※1 医師法第十六条の二第一項に規定する臨床研修に関する省令の施行について(医政発第0612004号 厚生労働省医政局長通知)「第2 臨床研修省令の内容及び具体的な運用基準」「20臨床研修の修了」「(1)臨床研修の修了基準」

1-8 研修医の募集及び採用の方法

  • 当院は日本医師臨床研修マッチング協議会(以下、「協議会」という。)のマッチングプログラムに参加し募集を行っていますので、選考試験を受ける者は同プログラムに参加し、協議会の示す運用ルール(規約)に従う必要があります。(2次募集を除く。)
  • 当院は選考試験の結果を基に、同プログラム上で希望順位を登録します。
  • マッチした者が医師国家試験に不合格となった場合は採用することができません。
  • いわゆる地域枠対象で大学へ入学された方は契約状況等の確認のため、応募の際に必ず申し出てください。

〇令和9年度 募集概要

 (1) 募集定員    6名

 (2) 募集及び選考方法(決定となり次第、当院ホームページに掲載します。)

   ・募集時期 令和8年6月中旬~8月初旬(予定)
   ・応募先  〒047-8550 小樽市若松1丁目1番1号
         小樽市立病院 事務部事務課 ℡ 0134-25-1211(内2804) 

   ・提出書類
     ① 履歴書(当院指定の様式による)
     ② 選考試験申込書(同上)
     ③ 卒業(見込)証明書
     ④ 成績証明書
     ⑤ 医学系CBT個人成績表
   ・選考方法 面接試験(個人面接)による
   ・試験日程 令和8年8月中旬(予定)

1-9 研修医の処遇

(令和8年4月30日時点の内容につき研修開始時点又は研修期間中に変更となる場合がある)

(1)身分  

 小樽市立病院医師(常勤)
  ・地方公務員法に規定する会計年度任用職員(フルタイム)
  ・地方公務員として職務に専念する義務を有する(アルバイトの禁止)

(2)給与・手当
 1年次:年額6,619,200円(変動給※1を含まない額)
  ・固定給:月額471,000円(給与320,000円、固定残業代151,000円※2
  ・固定期末・勤勉手当:年額967,200円(支給月:6月、12月) 
 2年次:年額7,984,500円(変動給※1を含まない額)
  ・固定給:月額522,000円(給与370,000円、固定残業代152,000円※2)
  ・固定期末・勤勉手当:年額1,720,500円(支給月:6月、12月) 

 ※1:変動給は宿日直、時間外業務等の実績に応じる
 ※2:時間外労働の有無にかかわらず30時間分の時間外手当として支給。30時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給。
 〇参考:時間外・休日労働の平均は約350時間(令和7年度実績)

(3)勤務時間  月~金曜日(年末年始を除く) 8:30~17:00 

(4)当直  日直は月に1回、宿直は週に1回が上限

(5)休暇  年次有給休暇:1年次は10日、2年次は11日
       健康増進休暇など有給の特別休暇等
(6)保険 1年次:北海道都市職員共済組合、厚生年金、労災保険、雇用保険
      2年次:北海道都市職員共済組合、公務災害補償基金

(7)宿舎  借り上げ公宅制(48,800円までの病院負担あり)

(8)研修医室  あり(研修医専用)  

(9)健康管理  定期健康診断 年1回

(10)病院賠償責任保険  病院において加入(医師賠償責任保険の加入については任意)

(11)外部の研修活動  学会、研究会等への参加:可(参加費用の病院負担あり(上限あり))

(12)妊娠・出産・育児に関する取組

  1. 産前・産後休暇(有給):出産(予定)日を基準に、産前8週間(双子等多胎妊娠の場合は14週間)以内、産後8週間の休暇取得が可能
  2. 育児休業(無給):3歳に満たない子を養育するために、育児休業を開始する1か月前までに請求し承認を受けた上で、最大で子が3歳になるまで休業が可能
  3. 院内保育所の利用:可(夜間保育:有)
  4. 院内授乳スペース:有

 ※ 1・2の休暇・休業期間は研修の休止期間としてカウントされます。

1-10 臨床研修協力病院・施設

協力病院名(〇は協力施設) 研修の内容及び期間(◎は必修) 研修実施責任者
札幌医科大学附属病院 自由選択:8週又は2か月まで 病院長
渡辺 敦
北海道大学病院 臨床研修センター長
加藤 達哉
朝里中央病院 ◎地域医療:4週 病院長
山田 修
東小樽病院 院長
中垣 卓
北海道社会事業協会余市病院 診療部長
蔵前 太郎
北海道済生会小樽病院 病院長
和田 卓郎
寿都町立寿都診療所 所長
今江 章宏
北海道社会事業協会小樽病院 ◎産婦人科:週1日程度
◎小児科:4週のうち3日程度
院長
宮本 憲行
国立病院機構北海道医療センター 自由選択(脳神経内科):指導医が必要とする期間 臨床教育研修部長
塚本 祐己
北海道脳神経外科記念病院 院長
小柳 泉
小樽市夜間急病センター
〇医療機関
◎救急:研修医が希望する日 管理者
越前谷 勇人
小樽市保健所
〇医療機関以外
保健・医療行政:2週程度 所長
田中 宏之

1-11 初期臨床研修終了後の進路について

研修終了後、希望があれば当院総合診療専門研修を含む後期研修医、正職員採用、さらには近隣研究機関への紹介等に関して臨床研修管理委員会等が適宜相談に応じます。

2.年次報告等

医師法第16条の2第1項に規定する臨床研修に関する省令(平成14年厚生労働省令第158号)第12条の規定に基づき年次報告等の様式を公表します。(令和8年4月30日届出)

問合せ先:事務課庶務グループ(臨床研修担当)
     TEL 0134-25-1211 内線2804
     Fax 0134-32-6424

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