内視鏡科

身体と患者さんに優しい内視鏡科

内視鏡科では内視鏡を使用した検査や治療を行います。 先端に小型CCDカメラの付いた直径1cm前後の細長い管を口や肛門から挿入し、食道、胃、十二指腸や大腸の内部を観察します。病変の疑いがあった場合、疑わしい組織部を採取し病理検査や治療を行います。

安心できる内視鏡検査のポイント
●鎮静剤を使用しない場合は、内視鏡検査を辛くないようにサポート
上部内視鏡検査は約5分で終わる検査で、検査後すぐに医師からの説明を受けることができます。ただし鎮静剤を使用した場合、検査後1時間程度ベッドでお休みいただくことになります。鎮静剤は薬剤であり、全くリスクのないものではありませんので、当院では上部内視鏡検査時の鎮静剤はなるべく使用しないようにしています。 以前に受けた内視鏡検査時に鎮静剤を使用した患者さんは、次回も希望される場合が多いですが、鎮静剤を使用した際の体と時間の負担についてきちんとした説明を行い、看護師からも、苦痛の少ないようにサポートするという話をすると、多くの患者さんは鎮静剤を使用しないことに納得されます。初めて検査を受けられる患者さんにも同様の説明を行い、鎮痛剤を使用しなくとも、辛くない内視鏡検査を受けていただいています。 最近では、喉からではなく、鼻から入れる経鼻内視鏡は通常の内視鏡に比べ、スコープの径も細く、痛みも少なく楽だという話を聞かれることが多いかもしれません。しかし、経鼻内視鏡検査時には、鼻血止めの薬剤の他に、鼻と喉に通常の内視鏡検査の倍の量にあたるスプレー麻酔をします。まれにそのスプレー麻酔薬の合わない方もいるので、注意が必要です。


● 鎮静剤を使用する場合は、可能な限り安全な検査を目指します

上部消化管内視鏡検査ではのどを麻酔してもなお吐き気や嘔吐(おうと)といった反射が残り苦痛を感じることも少なくありません。また、大腸内視鏡検査では内視鏡を挿入する際に大腸を伸ばしたり、空気(または炭酸ガス)を入れすぎるとお腹がはったり、痛くなります。さらに過去の経験や身体的な理由等で鎮静剤の使用を避けられない場合もあります。無理をせず鎮静薬により意識を低下させて緊張をやわらげ、苦痛を軽くします。多くは呼びかけに反応する程度の量を注射して検査を行います(意識下鎮静)。血圧が下がったり、呼吸が弱くなったりすることがありますので、検査中と検査後も意識がはっきりするまではモニターをつけて監視します。検査が終了しても薬が効いているためしばらく休んでいただきます。これらの薬を使用する場合には検査当日に自動車やバイク、自転車の運転を控えていただきます。

鎮静薬を使用することが多い施設では、内視鏡検査の不安やストレスと検査による苦痛や不快感をなるべくやわらげることをモットーとしております。最近では「苦痛のない内視鏡」を望まれる患者さんも多くみられます。検査も一回限りではなく、繰り返し受けていただくことも多いため、検査が楽に受けられることよって内視鏡検査を希望しやすくなると考えます。

鎮静薬を使用することのよい点と悪い点をふまえ、鎮静薬を使用するかどうかは担当医師とよくご相談しご自身の意思で決めてください。

● 大腸内視鏡検査について
最近、検査を受けられる方が増えているのが大腸内視鏡検査です。近年の大腸がんの急激な増加,大腸内視鏡スコープや大腸検査を受ける前に飲む腸管洗浄剤の改良、CO2送気の導入など理由はたくさんあります。CO2は体内に吸収され、肺呼吸経由で排出されるので、お腹の張りの苦しさが軽減されるのです。また、後部に小さい穴の空いた検査衣を着て行うため、懸念されるような恥ずかしさなどは全く心配ありません。しかし、大腸内視鏡検査が、身体と患者にやさしい検査となるか否かは、何より内視鏡検査医の挿入技術に直結しています。その最も重要なポイントは、無理な挿入を避けることであり、われわれ検査医は、理想的な挿入を目指し日々研鑽しています。


● 喉の痛み止め(麻酔薬)について

かつての「喉で止めてください」のゼリー状の痛み止めではなく、現在は看護師が噴射するスプレータイプを使用していますので、患者さんの負担は大きく軽減しました。

定期的な内視鏡検査のすすめ
 大腸がん、胃がんなどの消化器系のがんは、日本人の死亡原因の上位を占めています。  消化器系のがんは、早期発見により根治治療が可能な部位です。症状が出る前に、定期的な受診をお勧めします。  初めての内視鏡検査で「辛い、怖い」ものと感じると、定期的に受診をしなくなります。それどころか、調子が悪くても検査を避けてしまいま大腸がん、胃がんなどの消化器系のがんは、日本人の死亡原因の上位を占めています。  消化器系のがんは、早期発見により根治治療が可能な部位です。症状が出る前に、定期的な受診をお勧めします。  初めての内視鏡検査で「辛い、怖い」ものと感じると、定期的に受診をしなくなります。それどころか、調子が悪くても検査を避けてしまいます。  そのためにも、当院の内視鏡科では、初めて内視鏡検査を行う方へのサポートを大切にしています。また、これまでの内視鏡検査のイメージが「辛い、怖い」ものになってしまった方にも安心して検査を受けていただけるよう、丁寧な説明と患者さんのサポートを行っています。 す。  そのためにも、当院の内視鏡科では、初めて内視鏡検査を行う方へのサポートを大切にしています。また、これまでの内視鏡検査のイメージが「辛い、怖い」ものになってしまった方にも安心して検査を受けていただけるよう、丁寧な説明と患者さんのサポートを行っています。
スタッフ
• 内視鏡科科長1名
• 看護師5名(内、消化器内視鏡技師2名、小腸カプセル内視鏡読影支援技師1名)
• 内視鏡科受付1名
• 看護助手1名
• 内視鏡洗浄係1名

内視鏡施行医師
• 消化器内科医師6名
• 呼吸器内科医師3名
検査・治療の種類
• 上部内視鏡検査(胃・十二指腸)
• 下部内視鏡検査(大腸)
• 小腸内視鏡検査(小腸)
• カプセル内視鏡(小腸・大腸)
• 内視鏡的逆行性膵胆管造影法(膵臓・胆管・胆嚢)
• 超音波内視鏡(胃・膵臓・胆管・胆嚢・大腸・気管支)
• 気管支鏡(気管支)
業務内容
• 検診を含めた上部内視鏡検査・下部内視鏡検査。
• 胃・大腸ポリープの切除治療、早期がんの切除治療。
• 総胆管結石に対する砕石治療、総胆管に詰まった胆汁を流出させるドレナージ治療。
• 膵臓の管に詰まった膵液を流出させるドレナージ治療。
• 消化管の腫瘍に対し超音波内視鏡で観察しながら生検針で穿刺(せんし)して組織や細胞を採取する検査。(Endoscopic ultrasoundo guided fine needle aspiration-EUS-FNA)
• がんの早期発見、病変の悪性度や範囲診断などを目的に通常観察とがんの栄養補給路である粘膜表層の毛細血管や粘膜微細模様などを色調の違いとして強調表示する狭帯域光観察検査。(Narrou Band imaging)
• 先端に70〜100倍の拡大レンズのついた内視鏡を使用し、食道・胃・大腸などの粘膜構造を観察して良性腫瘍か悪性腫瘍の評価診断を行う拡大内視鏡検査。
2022年内視鏡検査・治療総件数

【上部消化管内視鏡検査・治療】
食道胃十二指腸内視鏡検査 1905
経鼻内視鏡検査 283
(胃)(食道)内視鏡的粘膜下層剥離術 31
腹腔鏡・内視鏡合同手術 1
上部内視鏡的粘膜切除術 9
内視鏡的異物除去術 21
内視鏡的上部消化管止血術 73
内視鏡的食道ステント留置術 5
内視鏡的胃十二指腸ステント留置術  2
内視鏡的食道静脈瘤硬化療法 2
内視鏡的食道静脈瘤結紮術 3
内視鏡的胃・十二指腸狭窄部拡張術 2
内視鏡的食道狭窄部拡張術 2
経皮内視鏡的胃瘻造設術 5
内視鏡的胃瘻チューブ交換術 11
上部超音波内視鏡検査 76
上部超音波内視鏡下穿刺吸引法 21
超音波内視鏡下瘻孔形成術 1
上部イレウス管挿入 44
合計 2497

【下部消化管内視鏡検査・治療 】
大腸内視鏡検査 822
(大腸)内視鏡的粘膜下層剥離術 22
内視鏡的粘膜切除術・ポリープ切除術 198
コールドポリペクトミー 165
内視鏡的小腸・結腸止血術 52
内視鏡的経肛門イレウス管留置術 5
内視鏡的下部消化管ステント留置術 14
内視鏡的結腸異物除去術 2
下部超音波内視鏡検査 1
内視鏡的結腸捻転解除術 5
合計 1286

【小腸内視鏡検査】
カプセル内視鏡検査 5
パテンシーカプセル検査 2
小腸ファイバースコピー 1
合計 8

【胆管・膵臓の内視鏡検査・治療 】
内視鏡的逆行性膵胆管造影 7
内視鏡的結石除去術・減黄術(乳頭切開術・胆道ドレナージ術・膵管ステント留置術等) 157
合計 164

【気管支内視鏡検査・治療】
気管支ファイバースコピー 32
気管支肺胞洗浄 15
経気管支肺生検法(透視下生検) 15
気管支異物除去術 1
超音波気管支鏡ガイド下リンパ節生検 43
ガイドシース併用気管支腔内超音波断層法による経気管支肺生検 45
気管支鏡下レーザー腫瘍焼灼術 1
気管支瘻孔閉鎖術 2
胸腔鏡 9
合計 163
内視鏡検査・治療総件数 4118件

消化器内科 施設基準
平成23年より日本消化器内視鏡学会指導施設に認定されています。

認定基準

  1.  内視鏡室が設置されていること。
  2.  専門医の教育に必要な各種内視鏡機器を備えていること。
  3.  週間検査件数が十分であること。
  4.  指導医1名以上が勤務、専門医2名以上が常務し、十分な教育体制がとられていること。
  5.  内視鏡検査室専属のコメディカルスタッフがいること。
  6.  病理部門が独立して存在するか、または病理診断を依頼することのできる病理専門施設が定まっていること。
呼吸器内科 施設基準
平成29年1月より日本呼吸器内視鏡学会関連認定施設に認定されています。

認定基準

  1. 年間件数が前年50例以上又は過去3年間で150例以上であること。
  2. 常勤の気管支専門医1名以上、及び、常勤又は非常勤の気管支鏡指導医1名以上が在籍していること
プライバシーを考慮した個室の検査室
当院の内視鏡検査室は4室あります。全て個室化され患者さん個人のプライバシーが守られるように造られており、安心して内視鏡検査・治療が受けられます。

内視鏡本数
• 上部消化管用 15本
• 下部消化管用7本
• 十二指腸用 3本
• 小腸用 2本
• 気管支用 8本
• 超音波内視鏡 3本(消化管用2本、気管支用1本)

内視鏡附属機器
• カプセル内視鏡システム 1台
• 高周波発生装置 3台
• 内視鏡洗浄消毒装置 4台
• 内視鏡検査・治療用ベッド 4台
徹底した感染管理
当院は日本消化器内視鏡技師会推奨「内視鏡の洗浄・消毒に関するガイドライン」に従い徹底した検査機具及び機材の洗浄・消毒を行っています。

使用している内視鏡洗浄消毒装置 オリンパス社製 OER-4
当院の内視鏡洗浄消毒装置は、一般的に使用されている消毒液であるグルタラール製剤を使用せず、代わりに過酢酸製剤を使用します。過酢酸製剤は、人体に対する害の少ない消毒剤です。そのため、いままで以上に環境にやさしい、安全な内視鏡検査・治療を提供できるようになりました。また、短時間で高度な消毒が可能で、検査間のわずかな時間でもハイレベルな洗浄・消毒が行えます。  私たちスタッフは日頃より内視鏡を介した感染防止に積極的に徹底して衛生管理を行っています。「安全に検査・治療・看護をすること」を大切に考えています。

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