上肢・肩

肩腱板断裂(かたけんばんだんれつ) 
肩腱板とは、肩甲骨と腕の骨(上腕骨)をつなぐ板状の腱で、腕を上げたり下げたりするときに、上腕骨頭が肩甲骨の関節窩という面とずれないように肩関節の支点を保つ動きがあります。 腱板は、肩関節を安定させ動かすために重要なものなので、損傷や断裂によって、引っかかりなど、肩の動きに支障が出たり、痛みが生じることがあります。肩腱板断裂は、特に腱の老化が始まる60歳以上の人に多く見られます。 中高年者の肩痛の原因として多い疾患に、五十肩があげられます。五十肩は肩関節の動きが大きく制限されるという特徴がありますが、肩腱板断裂では関節の動きがあまり制限されないことが多く、腕の上げ下ろしで痛むという特徴があります。

【主な症状】
・肩を上げ下ろしするときに、痛みや引っ掛かりがある。ゴリゴリという音がすることもある。
・反対の腕で痛い方の腕を持ち上がれば上がるのに、自力で持ち上げようとすると、痛くてできない。
・転んだり、腕をひねったりなどの、症状の出るきっかけとなる外傷があった(外傷がない場合もある)。
・特に運動時や夜間に肩が痛む。 急性断裂の場合、痛みが走り、腕が持ち上がらなくなります。2、3週間痛みが続きますが、徐々に落ち着きます。 これらの症状は、四十肩や五十肩と似ており、安静にしていると痛みが落ち着くことがあるので、治療せずに放置してしまう人が多くいます。

【診察・診断】 腱板はX線検査だけでは診断できませんが、MRIや超音波検査で診断することができます。 肩腱板断裂の患者さんでも、長期にわたり五十肩と診断されていることがあります。五十肩では、腕が上がらないだけでなく、横にも開かなければ後ろにも回らないというように、腕の動きが強く制限されるところが肩腱板断裂の症状と異なります。また、五十肩では1年以上痛みが続くことはまずありませんので、このような場合は肩腱板断裂が疑われます。

【保存治療】 多くの患者さんは注射や薬による保存的治療で痛みが軽くなりますが、筋力低下は手術をしないと改善しない場合が多いです。 安静三角巾を使用し、肩関節を動かさないように固定します。肩を使うスポーツや重労働の制限をされる場合があります。投薬鎮痛剤や湿布などで痛みを鎮め、注射炎症を抑えるステロイドなどの注射を行います。強い痛みが取れたら、肩甲骨や脊柱、骨盤などの動きを良くするリハビリや、残存している腱板の働きを良くするリハビリを開始します。
【手術治療】 肩の痛みや動きの悪さなどの症状が、保存治療で改善しないときは手術が必要になります。 関節鏡下に断裂した腱板を上腕骨のできるだけ本来の付着部に縫い付けます。 ※皮膚の切開は通常5ヶ所で、約1cmの切開を加えます。 ※断裂が大きい場合、完全には修復できないことがあり、筋膜移植や腱移行を行うことがあります。

反復性肩関節脱臼(はんぷくせいかたかんせつだっきゅう) 
初回は転んで手をついたり、肩を激しくぶつけたときに発生します。ひどい場合は骨折する場合もあります。 肩関節は最も外れやすい関節の一つであり、肩関節脱臼は様々なスポーツなどで発生します。腕がだらーんとなり、動かせなくなります。 繰り返すと反復性肩関節脱臼となります。

【主な症状】
・肩が抜けそうな感じがする、嫌な感じがあり、怖くて腕を挙げれない。
・脱臼した瞬間に強い痛みが生じ、音がすることもある。
・肩の形状に左右差が生じることもある。
・痛みにより手を挙げられなくなる。
反復性肩関節脱臼の方の病態は、関節窩という上腕骨の受け皿につく靭帯がはがれるバンカート損傷というものが生じます。普段の肩は靭帯が緊張して、肩が受け皿からはこぼれおちない(脱臼しない)ように働きますが、バンカート損傷が生じると靭帯は緊張しなくなります。

【治療】
(手術療法) 根治は手術が確実です。関節鏡下にバンカート修復をしたり烏口突起移行などの手術を行います。
(運動療法) 脱臼をしない肩の位置を認識してもらいます。肩周囲の筋肉の強化はもちろんですが 体幹の強化を施し、全身の機能を高めます。

肩関節周囲炎(かたかんせつしゅういえん) 
三角筋の裏側にある肩峰下滑液包や肩関節そのものである肩関節包に炎症が起きるのがいわゆる五十肩です。 同じ動作を繰り返すような肩の酷使により発生することが多いですが、まったく誘因が見当たらない場合もあります。

【主な症状】
 肩を動かそうとすると片方または両側の肩の痛みを生じる。(髪の毛の整容動作、ズボンを引き上げる、シートベルトを引っ張るなどの動作で強い痛みを感じます。) 夜間に痛みを生じることがあり、特に痛む方の肩を下にすると痛みが強くなります。中年以降の方にみられ、特に女性に多い傾向があります。

【診断】
肩を拳上する動作で痛みがあり、夜間痛を伴っていればこの疾患を疑います。 レントゲンで骨そのものの異常や石灰の有無を確認します。 次に超音波検査で腱板損傷の有無をチェックします。この時、レントゲンで石灰が見られなくても、超音波検査では細かい石灰が見られることは珍しくないため、全体像の把握が必要な場合は行っています。 紛らわしい疾患として、関節リウマチなどの膠原病があります。治りにくい場合には採血検査を推奨しています。

【治療】
肩が下になりむくむと痛みが強くなるので、夜間は状態を起こしたリクライニング状態で寝るとよいでしょう。痛い方の脇の下に大きなクッションを挟んで上肢全体がやや高くなるようにすると更に有効です。 強い痛みを伴う急性期には内服薬、注射による治療を行います。 肩関節が固くなっている場合(肩関節拘縮といいます)には、理学療法士による肩関節のストレッチ、温熱療法を積極的に行っています。 更に、頑固な拘縮には麻酔をかけ痛くないようにしてから用手的に固くなっている靭帯を緩める徒手授動術を実施しています。

変形性肩関節症(へんけいせいかたかんせつしょう)
変形性肩関節症とは、肩関節の骨(上腕骨や関節窩)が変形する病気です。 また、腱板断裂を起こし、さらに肩の骨の変形が進んだ場合は、腱板断裂性肩関節症となります。

【主な症状】
・肩が上がりにくい、痛い。
・肩がごりごりとする。
・肩が全然上がらない(変形性肩関節症の末期)。
症状だけでは変形性肩関節症と分かりにくい場合もあり、レントゲン,MRI,CTによって診断します。

【治療】
(投薬、注射) 痛みを抑えるために痛み止めの薬を内服するか、肩の関節内に痛み止めの薬を注入します。
(手術) 肩人工関節置換術が効果的です。 変形性肩関節症の場合は全人工肩関節置換術を、腱板断裂性肩関節症の場合は、反転(リバース)型人工肩関節置換術を行います。

変形性肘関節症(へんけいせいひじかんせつしょう)
変形性肘関節症は、肉体労働を続けたことによる肘関節の使い過ぎやスポーツなどが原因で、50~60歳代から発症することが多くみられます。肘関節を形成している骨の先端は関節軟骨に覆われており、衝撃を緩和するクッションの役目を果たしています。その関節軟骨が肘の酷使によりすり減ると、肘に痛みを感じたり、骨と骨がぶつかり合って骨のトゲ(骨棘)ができるなどの症状が出ます。このように肘関節の骨が変形する症状が「変形性肘関節症」です。変形性肘関節症の中には、ケガや先天性の異常によって発症する場合もあります。 変形性肘関節症を長い間放っておくと、肘の変形が進み、洗顔や歯磨き、着替えなど肘を十分に曲げ伸ばしする日常生活動作が困難になってきます。また、肘の変形によって発生した骨棘が尺骨神経を傷つけることがあり、小指などにしびれを感じたり握力が低下するなどの「肘部管症候群ちゅうぶかんしょうこうぐん」が引き起こされる場合もあります。

【診断】  問診、診察、X線検査などを行います。X線撮影で骨の変形具合を確認します。また、変形性肘関節症と似た症状が現れる関節リウマチや神経の病気との鑑別が必要になります。

【治療】
(保存的治療) 急性期には肘をできるだけ動かさないよう安静にすることが基本です。その他、消炎鎮痛剤の投与や患部を温める温熱療法などがあります。
(手術) 保存的治療に並行し、肘の痛みが持続し、骨の変形が進んでいて、日常生活に支障をきたす場合は、手術療法が選択されます。手術では尺骨神経に悪影響を与えている骨棘と軟部組織を取り除きます。軽度~中程度の変形性肘関節症の場合は、傷んだ軟骨や骨棘を直視下または関節鏡視下(内視鏡)で切除します。変形や関節の動きが重度の場合は、人工関節に置き換える「人工肘関節置換術」を行います。
・人工肘関節置換術
 関節の痛みの原因であるすり減った軟骨と傷んだ骨を切除して、人工関節に置き換える手術で、痛みの大きな改善が期待できます。

投球障がい肩(とうきゅうしょうがいかた)
投球障がい肩とは、投球動作(野球、バレーボール、ハンドボール、やり投げなど)の際に肩が痛くなったり、 力が入らなくなるなどの症状がでる病気です。 長く投げていると身体のゆがみや筋肉が硬くなり、投球する上での土台(腰や股関節)が硬くて動かない状態で投げ続けていると、今までより多くの負担が肩にかかります。 負担のかかる状態で投げることで肩の関節の筋肉、腱、靭帯が損傷し、正常な動きが失われて肩の痛みが生じます。

【治療】
(運動療法)
(手術療法) 当院では、投球動作は『求心位 ※1 が保たれた状態で、なおかつ運動連鎖 ※2 による全身運動である』と考えています。 ※1求心位:上腕骨頭が関節窩に正しく収まった状態 ※2運動連鎖:下半身から骨盤・体幹・胸腰椎・肋骨・肩甲帯・上肢への順に運動が鎖のように繋がった状態 その考えから投球障害肩の原因を、肩関節も含め、肩甲骨・肋骨・体幹・下半身など全身の関節柔軟性・筋力等の運動機能の低下から運動連鎖が上手に機能していないためと捉えています。 そこで、痛みを生じている部位の治療はもちろん、肩関節に負担を掛けない投球動作を獲得することを目標としています。
*必要に応じて全身機能評価や運動連鎖評価を実施
*評価結果から投球フォームに潜む問題点を見つけ出す
*問題点を治療し改善する
また、リハビリテーションを行っていく中で、患者さん自身にも自分の問題点を理解してもらい、再発予防のためのセルフチェックができるようになることも目指します。

離断性骨軟骨炎(りだんせいこつなんこつえん、通称:野球肘)
関節の中に軟骨が剥がれ落ちてしまう障害で、成長期の小中学生(10歳代が好発年齢)に多く発症します。発症の多くは野球で起きることから野球肘とも言われています。

【原因と症状】 スポーツなどにより繰り返されるストレスや外傷により軟骨の下の骨に負荷がかかることが原因と考えられています。血流障害により軟骨下の骨が壊死すると、骨軟骨片が分離し、進行すると関節内に遊離します。初期では、運動後の不快感や鈍痛の他は特異的な症状は出ません。関節軟骨の表面に亀裂や変性が生じると疼痛も強くなり、スポーツなどで支障を来します。さらに、骨軟骨片が関節の中に遊離すると肘の曲げ伸ばしの際に引っかかり感やズレ感を生じ、関節に挟まると肘がロックして動かなくなってしまいます(ロッキング)。

【診断】 初期には通常のレントゲンで写り難いので見落とされることがあり、特殊な方向からの撮影が有用です。さらに、CTやMRI検査で病変部の大きさや状態などの確認を行います。

【治療】 治療法は病型や年齢によって分けられます。
1)分離型(骨軟骨片が浮き上がってはいるが、まだ剥がれてはいない状態)
: 特に若年者の場合は安静や免荷(めんか;体重をかけないこと)だけでも修復が期待できますが、関節鏡視下でのドリリング(障害部位に直径1mm程度の穴をいくつか掘って出血を促す方法)で癒合を促進させることも可能です。
2)遊離型(骨軟骨片が完全に剥がれた状態)
: 膝の荷重がかからない部位から骨軟骨柱を採取し、肘の病巣部位に移植する方法を行っています。

上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん、通称:テニス肘)
中年以降のテニス愛好家に生じやすいのでテニス肘と呼ばれています。 一般的には、年齢とともに肘の腱が痛んで起こります。病態や原因については十分にはわかっていませんが、主に短橈側手根伸筋の起始部が肘外側で障害されて生じると考えられています。 この短橈側手根伸筋は手首(手関節)を伸ばす働きをしています。
【症状】 物をつかんで持ち上げる動作やタオルをしぼる動作をすると、肘の外側から前腕にかけて痛みが出現します。多くの場合、安静時の痛みはありません。

【治療】
(保存療法) 
1. 手首や指のストレッチをこまめに行います。
2. スポーツや手をよく使う作業を控えて、湿布や外用薬を使用します。
3. 肘の外側に局所麻酔薬とステロイドの注射をします。
4. テニス肘用のバンドを装着します(装着方法などは主治医にご相談ください)。
(注射法)
(手術療法)保存療法が無効な場合には、手術療法を行うこともあります。 筋膜切開術、切除術、前進術、肘関節鏡視下手術などがあります。

肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)
肘の内側で神経(尺骨神経)が慢性的に圧迫されたり牽引されることで発症します。 原因は神経を固定している靭帯やガングリオンなどの腫瘤による圧迫、加齢に伴う肘の変形、子どものときの肘の骨折による変形、野球や柔道などのスポーツなどがあります。
【症状】 麻痺まひの進行により症状が違います。初期は小指と環指の一部に痺れ感が出現します。麻痺が進行するに伴い、手の筋肉がやせてきたり、小指と環指が変形をおこします。 【診断】 肘の内側を叩くと小指と環指の一部に痺れが走ります。肘部骨折の既往がある場合にはレントゲン検査で肘の外反変形が見られます。レントゲンの検査で異常が見られない場合は、他の原因が考えられます。 【治療】 薬物の投与などの保存療法で症状が軽減しない場合は、尺骨神経を圧迫しているバンドの切離やガングリオンの切除を行います。神経の緊張が強い場合には、骨を削ったり、神経を前方に移動させたりする手術を行います。肘の外反変形を手術で治す場合もあります。
手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)
手首から手のひらの真中には正中神経という神経が走っています。この神経は手首のあたりでトンネルを通りますが、手の使い過ぎなどが影響してこの部分で神経が傷むことで、指先にしびれがきたりする病気です。末梢神経障害の中で最も多く、日常よく遭遇する病気です。
【症状】 手のひらから、親指、人差し指、真中指、薬指半分のしびれが起こります。しびれは朝方に強かったり、自転車や車の運転、編物など手を使うことで強くなりやすく、手を振ると少し楽になるのが特徴です。 中年の女性に多く、手の甲はしびれず、手首より手前がしびれることはありません。また薬指の親指側半分しかしびれないので、しびれる場所からある程度診断することができます。症状が進むと、親指付け根の筋肉が痩せてきたり、親指の力が落ちるため、物を落としやすくなってしまいます。しびれが小指と薬指の小指側半分になければ、この病気である可能性が大です。

【治療】 治療の第一は安静で、なるべく手を使わないようにします。ビタミン剤が有効なこともあります。しびれや痛みが強かったり、細かいものが上手に摘めないような場合、手術を行うことがあります。手術は、腕一本を麻酔する方法で日帰りでも入院でも可能です。当院ではご希望に合わせて麻酔を選択しています。内視鏡を用いて行うので手首に小さい切開一つだけで可能です。時間は20分ほどで終わります。

弾発指・ばね指(だんぱつし・ばねゆび)
ばね指とは、指の曲げ伸ばしの際にパチンとかガクッという様に、指がばね仕掛けの様になることから呼ばれています。 多くは使い過ぎから腱、腱鞘に炎症(腱鞘炎)が起こり、指を曲げるスジ(屈筋腱)を包んでいるトンネル(腱鞘)が狭くなったり、腱自体が厚くなり、このスジがトンネルを上手く通過できなくなるために起こります。母指に多く見られます。

【症状】 症状は、手のひら側の指の付け根の疼痛や前述のばね現象です。疼痛や引っ掛かりが強くなってくると、指の曲げ伸ばしができなくなり、周囲の関節が固まってしまい生活でいっそう不自由となることもあります。

【治療】
(保存療法) 多くは使い過ぎで起こるため、まず局所の安静と消炎鎮痛剤(内服、外用)を使用します。 疼痛が強い場合には腱鞘内にステロイド注射を行うことがあります。
(手術療法) 保存療法で改善しない場合や初診時に経過が長い場合には手術を行います。 手術は局所麻酔下に小さな傷で腱鞘を切開します。時間も15分程度ででき、手術直後には引っかかりは無くなります。

デュピュイトラン拘縮
手のひら(手掌)の皮膚を移動しにくくしているのは、皮下にある線維性の手掌腱膜しゅしょうけんまくというのものです。これにより、皮膚が移動しにくいので、物が握りやすくなっています。

【症状】 前腕の屈側中央を走る長掌筋腱ちょうしょうきんけんという腱移植(他の腱の不足したところに腱を橋渡しする)に良く利用される腱と手掌腱膜はつながっていて、手掌では、各指に向かって扇状に広がっています。 手掌から指にかけて硬結(こぶのようなもの)ができ、皮膚がひきつれて徐々に伸ばしにくくなります。薬指(環指)、小指に多く見られますが、他の指や足の裏にもできることがあります。痛みや腫れなどはありません。

【診断】 腱の断裂や癒着、腫瘍などのほかの病気と区別する必要がありますが、手の硬結と典型的な指の変形などにより、整形外科医が見れば診断がつきます。

【治療】 指の変形で日常生活に支障を来すようになると、皮膚の突っ張りをとる手術(腱膜切除)を行います。手術後には、リハビリや夜間伸展位固定(装具療法)などの後療法が大切です。おおよその手術の適応は手掌を机にぴったりつけられるかどうかを試し、浮いてぴったり着かなくなった頃と考えてください。第2関節が曲がってきた場合には、早めに手術が必要になることもあります

へバーデン結節
指の第1関節(DIP関節)が変形し曲がってしまう原因不明の疾患です。第1関節の背側の中央の伸筋腱付着部を挟んで2つのコブ(結節)ができるのが特徴です。この疾患の報告者へバーデンの名にちなんでヘバーデン結節と呼ばれています。いろいろな程度の変形があります。すべての人が強い変形になるとは限りません。 注:ここでは、一般的な呼び名としてDIP関節(遠位指節間関節)を第1関節と呼んでいます。

【症状】 示指から小指にかけて第1関節が赤く腫れたり、曲がったりします。痛みを伴うこともあります。母指(親指)にもみられることもあります。第1関節の動きも悪くなります。また、痛みのために強く握ることが困難になります。第1関節の近くに水ぶくれのような透き通ったでっぱりができることがあります。これをミューカスシスト(粘液嚢腫)と呼びます。

【診断】 第1関節の変形、突出、疼痛があり、X線写真で関節の隙間が狭くなったり、関節が壊れたり、骨棘こつきょくがあれば、へバーデン結節と診断できます。 ※リウマチとは異なります。

【治療】 保存的療法としては、局所の安静(固定も含む)や投薬、局所のテーピングなどがあります。急性期では少量の関節内ステロイド注射(特にトリアムシノロンは有効)なども有効です。 保存的療法で痛みが改善しないときや変形がひどくなり日常生活に支障をきたす場合は、手術を考慮します。手術法には結節を切除するものや関節を固定してしまう方法が行われます。

母指CM関節症

【症状】 物をつまむときやビンのふたを開けるときなど母指(親指)に力を必要とする動作で、手首の母指の付け根付近に痛みが出ます。 進行すると、この付近が膨らんできて母指が開きにくくなります。 また、母指の指先の関節が曲がり、手前の関節が反った「白鳥の首」変形を呈してきます。

【診断】 母指の付け根のCM関節のところに腫れがあり、押すと痛みがあります。母指を捻るようにすると強い痛みが出ます。 手首の母指側の腱鞘炎(ドケルバン腱鞘炎)やリウマチによる関節炎と区別しなければなりません。 X線(レントゲン)検査でCM関節のすき間が狭く、骨棘があったり、ときには亜脱臼が認められます。

【治療】 消炎鎮痛剤入りの貼り薬を貼り、CM関節保護用の軟性装具を付けるか、固めの包帯を母指から手首にかけて8の字型に巻いて動きを制限します。 それでも不十分なときは、痛み止め(消炎鎮痛剤)の内服、関節内注射を行います。 痛みが強く、亜脱臼を伴う高度な関節の変形や母指の白鳥の首変形が見られるときには、関節固定術や大菱形骨の一部を切除して靱帯を再建する切除関節形成術などの手術が必要になります。当院では関節鏡を用いた低侵襲手術を行っています。

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