脳梗塞を発症しないために~「動脈硬化」を調べる検査「頸動脈エコー」

小樽市立病院 脳神経外科 副院長 新谷  好正

病院広報誌「絆」vol.32 特集「検査のススメ~自覚症状のない大病の早期発見」より(2020年3月発行)

発症したら一刻を争う「脳梗塞」

 脳梗塞は、脳の血管が詰まることにより起こる疾患で高齢化、糖尿病、生活習慣病などを原因に、年間約20万人が発症し約6万人が死亡しています。

脳出血を含めた脳卒中は、がん、心臓病に次いで日本における死因の第3位となっています。

【治療方法】

・血管内治療、薬剤(t-PA)、開頭手術など

【脳梗塞に対する二点の心構え】

  • 予防~ならないように気をつける

 生活習慣の見直しと改善を行う

 危険因子: ①高血圧 ②糖尿病 ③脂質異常症 ④喫煙 ⑤肥満 ⑥不整脈

  • 救急対応~発症が疑われたら即座に救急車を呼ぶ

  「片方の手足がしびれる」、「足がもつれる」、「手 足に力が入らない」、「ろれつが回らない」、「言 葉がとっさに出てこない」、「他人の言うことが 分からない」「ものが見えにくい」といった症状 が突然現れることが多く、一つでもあれば脳梗 塞が疑われます。

  脳梗塞は、重症であれば死に至ることや、重 篤な後遺症が残ることもあるため、発症が疑わ れたら躊躇せずに即座に救急車を呼んでください。

脳梗塞の危険因子「動脈硬化」を事前に知る「頸動脈エコー」

 動脈硬化とは、動脈が硬くなり弾力性や柔軟性を失った状態です。

 動脈に中性脂肪やコレステロールなどが溜まることで動脈の血流が詰まったり、硬くなったりという状態になり、脳梗塞・狭心症・心筋梗塞などになる可能性が高いと言われています。

 動脈硬化が進行すると、血管の内側にプラーク(かたまり)ができやすくなります。プラークが剥がれて細い血管を詰まらせることがあります。

  頸動脈エコーでは、脳へ血液を送る重要な役割をしている頸動脈部分をエコーによって検査するので、特に脳梗塞の危険性を事前に知ることができます。

 当院では、頸動脈の血管の内側にプラークがたまり、血管が細くなっている場合には、脳梗塞の発症を未然に防ぐために、プラークを取り除く「頸動脈内膜剥離術」という治療を行っています。

 既往歴や生活習慣病が気になり、かかりつけ医を受診されている方は頸動脈エコー検査を行うことをお勧めします。また、検査のほか、脳の健康状態を調べる「脳ドック」も行っていますので、気になることがある方はご相談ください。
問い合わせ先:小樽市立病院 脳神経外科外来 TEL 0134(25)1211 内線1211

脳ドック

¥19,000- ※病気が発見された場合は保険適用となります。
・問診・脳MRI・脳、頸動脈エコー、診察

問い合わせ先:小樽市立病院 けんしんセンターTEL 0134(25)1211 内線3700、3708

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