突然破裂!「大動脈瘤」を未然に発見~「CT検査」「胸部・腹部エコー」

小樽市立病院 心臓血管外科 主任医療部長 深田  穣治

病院広報誌「絆」vol.32 特集「検査のススメ~自覚症状のない大病の早期発見」より(2020年3月発行)

無症状で突然発症する「大動脈瘤」

 体の中で最も太く、全身に血液を送る大動脈の血管の壁がもろく薄くなり、大きく膨らむ病気を大動脈瘤といいます。

 大動脈瘤は動脈硬化によって進行し、その原因は喫煙、高血圧、高コレステロールなどです。

動脈硬化によって弱くなった動脈壁に高血圧が加わり、動脈壁がこぶ状に膨らんでくるとされています。破裂するような大きさになるのには数年以上かかりますが、症状がほとんど出ないため見つかりにくく、突然破裂した場合は救急車で病院に着く前に半数の方が命を落とされています。

 大動脈瘤は胸部大動脈瘤・腹部大動脈瘤・胸腹部大動脈瘤など、そのこぶができる部位によって呼び名が異なります。

 また、大動脈瘤の中には、急にこぶが発生する解離性大動脈瘤という種類の動脈瘤もあります。

 解離性大動脈瘤は、多くの場合高血圧が原因で、何の前触れもなしに大動脈壁が広範に裂ける疾患です。救急疾患の中で最も救命が困難な病気の一つです。

【未然に防ぐために】

 生活習慣病(高血圧、喫煙、高血糖、高コレステロール血症)を改善することが一番大切なことです。

 加えて、動脈硬化の起こりやすい既往歴のある方は定期的な「CT検査」や「胸部・腹部エコー」で状態を確認し、突然の破裂を未然に防ぐことが大切です。

 拡大してしまった動脈瘤が見つかった場合には外科的な手術をして破裂を予防するのが一般的です。外科的治療法としては「人工血管置換術」または「ステントグラフト内挿(ないそう)術」という方法があります。患者さんの全身状態や血管の性状に合わせて、適した治療法を選択します。 心臓に何か不安のある場合は、日頃から通っているかかりつけ医等にご相談いただき検査や受診をしてください。

 また、当科では、外来で「血管ドック」を行っています。

 血管の硬さや詰まりの程度、血管年齢などを判定し、総合評価と生活指導を行っていますので、気になることがある方はご相談ください。

問い合わせ先:小樽市立病院 心臓血管外科外来 TEL 0134(25)1211 内線1214

血管ドック

¥19,000-
※病気が発見された場合は保険適用となります。
・レントゲン・血液検査・CT・血圧脈波検査・
問い合わせ先:小樽市立病院 心臓血管外科外来TEL 0134(25)1211 内線1214

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