新病院開院に当っての心構え

 新小樽市立病院開院の仕事始めに当り一言挨拶をさせて頂きます。
 皆さん、本日平成26年12月1日は我々にとって記念すべき新病院開院の第一日目です。始め良ければすべて良しと言われます。昨日の移転作業および本日の日常業務は無事に済まされたでしょうか。
 本日朝7時30分から開院式典が厳粛な中にも和やかな雰囲気で執り行われました。私は、お礼の挨拶の話で強調したことが2つありました。1つは立派ですばらしい病院が建設されたので、これから大切なことはこの病院の診察、運営が円滑、円満に行われ、患者、市民に喜ばれる診療と地域に信頼される医療に深く関わり、貢献していくことであります。それを果すため職員一同力を合わせて頑張っていく覚悟であることを述べました。もう1つは当院の新築工事起工式、定礎式、竣工式、植樹式、メモリアルガーデン開園式、病院見学会、患者搬送、そして、開院式の全ての行事が天候に恵まれました。新病院建設が天から祝福されているようで大変嬉しく、幸せの気持ちで一杯になったことを述べました。新病院の円滑で円満な診療と運営が実現するように、職員の皆さんには熱い意気込みと強力な実行力を切にお願いする次第です。
 ことわざに「新しい皮袋には新しいブドウ酒を入れる。」その意味は古いブドウ酒は新しい皮袋に馴染まず、自分勝手に発酵して、袋をさいてしまうということです。すなわち、新しい病院には新しい意識と意欲をもった職員に働いてもらうことが重要であります。これまでのそれぞれの病院の慣例、既得権にとらわれずに新しい病院の理念と基本方針に従って働くことが大切であります。この理念と基本方針は皆さんのネームカードの裏に書かれてありますので適時それを読み、頭にたたき込んで、それを実践することを望みます。
 この社会の組織の中で働き、生きていくうえで必要である大切なことがあります。それは、組織には人が必要です。人には教育が必要です。教育には人間関係が必要です。人間関係には信頼と尊敬が必要です。そして、組織の発展には人の成長が必要であるということです。これから病院という組織が発展していくためには、病院の内と外でのチームワーク、すなわちチーム医療に力を注ぐことが必要であります。職員という人が成長するには個々人のモチベーション、コミュニケーション、パフォーマンスを最大限発揮し、活躍することが必要であります。このような職員、スタッフによるチーム医療においては、人数以上の成果を上げることができます。
 これからの医療は選ばれる時代になります。病院は患者、市民、医師、医療スタッフ、大学の教室、そして、一般社会から選ばれます。選ばれる病院の要因は、働きやすく働きがいがある、待遇面や生活環境がよい、適正な人事評価をしてくれることであります。当病院の特徴は医師数が不足しているため総医療収益が少なく、人件費率が高く、赤字体質であるということです。これを解決するにはどうしても2つの病院の統合、新築しかないと私は思っておりました。幸いなことに早速医師の人事面で新築効果がみられています。来年1月から婦人科医、4月から整形外科医が各1名ずつ常勤医となります。そして、ホームページの情報から現在2名ほど当院での勤務を希望して面談を待っています。また、4月から当院の初期臨床研修医5名の他に、北大のたすきがけ研修医2名を受け入れます。その他当院が札幌医大と北大の学生の臨床実習の受け入れ先にもなります。このことは大学との交流、そして、当院への臨床研修先としての宣伝に活用できるものと思っています。
 このように医師数の増加によって余裕をもって診療、臨床研究、教育を行うことができるとともに、質の高い医療、患者サービス、そして、病院経営面で大きなプラスとなり、当院の評価が高まっていく良循環が形成されることになります。職員皆さんが元気で、高い目標を目差して活躍されることを期待致します。健闘を祈っています。

 

このページの先頭へもどるicPagetop

À メニュー
トップへ戻るボタン