第3回小樽市立病院災害訓練を行いました

 小樽市立病院は、災害発生時に被災地から傷病者を受け入れるとともに、他の医療機関の医療活動を支援する災害拠点病院としての役割を担っています。万が一に備え、院内では各種勉強会、訓練等に積極的に取り組んでいます。
 今回は大規模災害時に多数の傷病者が出た場合の院内搬送対応の問題点を把握するとともに、小樽市消防本部との災害時の連携構築を目的とした実働災害訓練を行いました。
 訓練は開院してから毎年行っており、今年で3回目。1回目は机上訓練のみで、模擬患者による実働訓練は昨年に引き続き2回目、昨年までは院内の外来などの広いスペースを使用していましたが、今年は実際の救急外来を使用して行いました。
 今年の訓練は、北海道北西沖と沿岸部2つの震源地によるマグニチュード7超の地震が発生し、津波が平日13時に発生、小樽市内で倒壊家屋300棟以上、浸水家屋1000棟、死者予想100名、負傷者400名、同時に停電が発生し、当院は自家発電以外の電力はないという想定でした。
 被災場所付近で小樽市消防本部による傷病者の1次トリアージ(※)が行われ、重傷者(赤タグ)は救急車による搬送、それ以外の傷病者はバス、乗用車、徒歩で来院し、正面玄関前に設置したトリアージポストでトリアージを行い、各エリアに搬送されました。
 平日昼間の通常の診療時間内という設定のため、災害発生後は院内の2階講堂に設置された「災害対策本部」へ各部署が被害状況を報告しました。
 災害対策本部は、院内の被害状況、来院した傷病者の病状など、すべての情報を収集し、指示を行います。
 今回は、病院スタッフとして院内の医療系、事務系の職員のほか、院外の関係者を合わせ約200名、模擬患者は看護学生や市民など約50名に、ご協力をいただき訓練を行いました。模擬患者の中には日本語を話せない外国の方もおり、多言語映像通訳タブレットを使用しました。
 実働訓練では、日常の動きでは見えてこない問題点も見えたので、万が一の災害発生時に生かせるよう、今後各部門で検討していきます。

※ トリアージとは、患者の重症度に基づいて、治療の優先度を決定して選別を行うことです。

 

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