小樽市立病院経営強化プラン(令和5年度~令和9年度)

市立病院経営強化プランの策定

 国は令和4年3月に公表した「公立病院経営強化ガイドライン」(※)において、「持続可能な地域医療提供体制を確保するため、公立病院の経営強化が重要である」とし、全国の自治体に対して、「公立病院経営強化プランを策定し、病院事業の経営強化に総合的に取り組むこと」を求めています。
 そのため、小樽市では病院局が中心となり、令和5年3月に「小樽市立病院経営強化プラン」を策定しました。
(※「持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化ガイドライン」(外部サイト)。令和4年3月29日付け総財準第72号 総務省自治財政局長通知。)

プランの内容

「小樽市立病院経営強化プラン」の全文は、こちら[PDF:3.2MB]からご覧いただけますが、各項目の主な内容は次のとおりです。

1 小樽市立病院経営強化プランの策定について

1-1 小樽市立病院経営強化プラン策定の主旨

多くの公立病院において経営状況の悪化や医師不足のために医療提供体制の維持が極めて厳しい状況にあり、国は地域医療構想、地域包括ケアシステム等、様々な施策の一つとして経営強化ガイドラインを策定。

本プランはガイドラインに基づき、小樽市が病院事業の経営強化に総合的に取り組むことを基本として策定。

1-2 策定時期、対象期間及び策定後の点検・評価・公表・改定

プランの対象期間は令和5年度から令和9年度まで。毎年度、プランの実施状況の点検・評価を行い、結果を公表。外部委員を含む評価委員会に諮問し評価の客観性を確保。

1-3 当院の状況

病院の概要、基本理念、経常収支、経営状況の直近5か年度決算の推移等。

 

2 役割・機能の最適化と連携の強化

2-1 地域医療構想の概要

後志圏域地域医療構想における病床数の推計は、将来的に急性期が過剰となり、高度急性期、慢性期及び回復期が不足する見込み。

2-2 地域医療構想等を踏まえた当院の果たすべき役割・機能

  • 災害拠点病院としての救急医療、高度急性期機能及び急性期機能の推進、小児・災害・精神などの不採算・特殊部門に関わる医療を提供。なお、病床数は現状を維持。
  • 後志圏域で唯一の地域がん診療連携拠点病院として、専門的ながん医療の提供、連携協力体制の整備及び患者さんへの相談支援や情報提供等を行う。
  • 「かかりつけ医」を持つことを推進し、患者さんの紹介・逆紹介の積極的な実施等により、後志圏域で初となる「地域医療支援病院」を目指す。
  • 限られた医療資源である医師・看護師を確保しつつ、地域全体で効率的に活用すべく、基幹病院として関係医療機関への派遣を継続。
  • 後志圏域の精神医療の提供状況を踏まえながら認知症患者の診療等を継続。

2-3 地域包括ケアシステムの構築に向けて果たすべき役割・機能

  • 患者さんが住み慣れた地域での生活への復帰を支援するため、地域の医療機関への逆紹介を推進。
  • 北海道から認知症疾患医療センターの指定を受け、地域の認知症医療の一翼を担う。

2-4 医療機能や医療の質、連携の強化等に係る数値目標

地域医療支援病院を目指し、医療機関との連携強化について検証。紹介率、逆紹介率のほか、様々な数値目標や取組について、院内の関連部門等において検討し、随時実行。

2-5 一般会計負担の考え方

総務省の繰出金の基準に関する考え方に沿って一般会計からの繰出金を算定。

2-6 住民の理解のための取組

  • 当院が提供する医療内容の情報発信や「かかりつけ医」の推進を含めた地域医療連携の推進などに係る広報活動。
  • 地域医療支援病院を目指し、機能分化・連携強化の必要性等について地域住民の理解を深める。

 

3 医師・看護師等の確保と働き方改革

3-1 医師・看護師等の確保

  • 収支状況等を勘案しつつ、医師・看護師の負担軽減のため計画的に職員を採用。
  • 職員数の増加、病院施設の整備等により勤務環境の改善を図る。  

3-2 臨床研修医の受入れ等を通じた若手医師の確保

 初期臨床研修医等の若手医師の確保・育成に取り組む。

3-3 医師の働き方改革への対応

令和6年度の医師の働き方改革開始に向け、タスクシフト/シェアの推進、ICTの設備整備などを進め、法の趣旨を踏まえた労働時間短縮に取り組む。

 

4 経営形態の見直し

4-1 経営形態の現状

平成21年4月に地方公営企業法全部適用を導入し、経営改善への取組強化を継続中。

4-2 経営形態の見直し(検討)の方向性

地方独立行政法人化(非公務員型)、指定管理者制度の導入、民間譲渡のいずれも課題や問題があり、当面の間は、地方公営企業法の全部適用を継続。

 

5 新興感染症の感染拡大時等に備えた平時からの取組

新型コロナウイルス感染症への対応において、積極的な病床確保と入院患者の受入れ、発熱外来の設置やPCR検査、ワクチン接種等の役割を果たした経験を生かし、今後の新興感染症にも対応可能となるよう取り組む。

 

6  施設・設備の最適化

6-1 施設・設備の適正管理と整備費の抑制

  • 平成26年に新築し、建替や大規模改修の予定はないが、計画的な整備・修繕により長寿命化を図る。
  • 高額医療機器の適切な保守・点検の実施に努める。

6-2 デジタル化への対応

  • マイナンバーカードの健康保険証の利用促進への取組のほか、インターネット回線による小樽後志地域医療連携システム「ID-Link」を活用し、関係医療機関との連携を図る。
  • 情報セキュリテイ対策に係る整備を推進。

 

7 経営の効率化等

7-1 経営指標に係る数値目標

経営強化ガイドラインでは、本プラン対象期間中に経常収支が黒字化する数値目標を定めるべきとされているが、経営改善に向けた取組を着実に実施していくこととし、令和11年度黒字化を目標とする。

7-2 目標達成に向けた具体的な取組

  • 民間的経営手法の導入に係る研究等を進める。
  • 収入増加、確保対策として、紹介患者の受入れ等による患者の確保等を目指す。
  • 経費削減、抑制対策として、契約見直しや薬品・材料等の購入に係る検証等を行う。

7-3 各年度の収支計画等

現行の経営努力を継続した場合の収支見通しと収支改善目標額を考慮した収支計画。

 

担当部門:小樽市立病院事務部(経営改善担当主幹)

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