臨床指標
臨床指標(質評価指標とは)
医療の質を具体的な数値として示し、客観的に評価することを可能としたものです。これにより、医療の過程や結果の中に存在している課題や改善点を見つけ出し、医療の質の継続的な向上に役立てることを目的とするものです。
指標を数値化して目に見える形にすることによって、自院が行っている「医療の質」のレベルを知ることができますし、数値が良くなれば改善への意欲も高まります。
当院は、まだこの試みを始めたばかりで十分ではありませんが、今後とも当院が測定している様々な医療の指標をホームページに公表し、最適の医療を提供できる病院となるため、改善を図り医療の質の向上に努めていきたいと考えています。
1)病院のパフォーマンスを示す指標
2)全自病「医療の質の評価・公表等推進事業」に係る指標
3)診療科独自の診療統計指標(精神科)(2019年4月~2020年3月)
1)病院のパフォーマンスを示す指標
臨床指標名 | 単位 | 平成26年度 | 平成27年度 | 平成28年度 | 平成29年度 | 平成30年度 | 平成31年度 |
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H26.12~H27.3 | H27.4~H28.3 | H28.4~H29.3 | H29.4~H30.4 | H30.4~H31.3 | H31.4~R2.3 | ||
1日平均入院患者数(一般) | 人 | 252.0 | 273.8 | 271.5 | 290.2 | 280.1 | 275.8 |
1日平均入院患者数(精神) | 人 | 63.8 | 69.5 | 62.6 | 69.2 | 62.8 | 56.6 |
平均在院日数(一般) | 日 | 14.2 | 13.2 | 12.7 | 12.6 | 12.7 | 12.8 |
平均在院日数(精神) | 日 | 183.0 | 175.1 | 162.2 | 179.3 | 171.2 | 155.2 |
一般病床稼働率 | % | 81.8 | 88.9 | 88.1 | 94.2 | 90.9 | 89.6 |
1日平均外来患者数 | 人 | 769.5 | 882.8 | 877.6 | 890.4 | 894.1 | 900.7 |
全手術件数 | 件 | 941 | 3,845 | 3,817 | 4,097 | 4,158 | 3,719 |
緊急時間外手術件数 | 件 | 51 | 108 | 290 | 407 | 449 | 361 |
救急車来院患者数 | 人 | 530 | 1,450 | 1,815 | 2,188 | 2,106 | 2,080 |
外来化学療法件数 | 件 | 284 | 958 | 1,010 | 1,163 | 1,844 | 2,198 |
がん相談件数 | 件 | 42 | 177 | 169 | 195 | 218 | 250 |
紹介率 | % | 28.5 | 28.1 | 30.1 | 32.9 | 33.6 | 36.1 |
逆紹介率 | % | 16.1 | 22.2 | 25.7 | 28.1 | 32.4 | 39.9 |
説明及び算出方法
2)全自病「医療の質の評価・公表等推進事業」に係る指標
当院では、全国自治体病院協議会 医療の質の評価・公表等推進事業※に2020年度より参加し、臨床指標の分析と活⽤による医療の質の改善活動を推進しています。
※全国自治体病院協議会 医療の質の評価・公表等推進事業とは
国民の関心の高い医療の質について評価・公表ならびに、自治体病院が地域において担う役割の重要性を見える化し、その一層の充実を図ることを目的として2014年より開始された事業であり、2018年の時点で全国154病院、許可病床合計6万5千床、新規入院数317万の患者像をめぐる医療の指標となっています。各指標に掲載されている参考値は、全自病「 医療の質の評価・公表等推進事業」の結果より抜粋しています。
当該事業の参加により全国平均値と同規模病院平均値が明らかな項目には参考値として数値を計上しています。
全国自治体病院協議会の「医療の質の評価・公表等推進事業」へのリンク
臨床指標名 | 当院 令和2年7月~9月 | ※参考値 全国平均値 | ※参考値 同規模病院平均値(300床以上) |
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紹介率 | 42.8% | 66.8% | 64.7% |
国が推進する地域完結型医療の実現に向け、当院は、小樽・後志地区において急性期医療を提供する役割を担っており、地域の医療機関からの紹介患者や救急患者を多く受け入れ、地域の中核的病院となることが求められています。 計算方法: 紹介初診患者数+初診救急患者数/初診患者数 ×100% |
臨床指標名 | 当院 令和2年7月~9月 | ※参考値 全国平均値 | ※参考値 同規模病院平均値(300床以上) |
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逆紹介率 | 50.6% | 56.0% | 47.4% |
国が推進する地域完結型医療の実現に向け、当院は、小樽・後志地区において急性期医療を提供する役割を担っており、病状が安定した患者の診療や日頃の健康管理は、地域の「かかりつけ医」に紹介して診てもらうなど、医療機関の役割分担を進めています。 計算方法: 逆紹介患者数/初診患者数 ×100% |
臨床指標名 | 当院 令和2年7月~9月 | ※参考値 全国平均値 | ※参考値 同規模病院平均値(300床以上) |
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手術開始前1時間以内予防的抗菌薬投与率 | 89.8% | 81.1% | 80.1% |
予防的抗菌薬投与とは、手術後の感染をできるだけ防ぐために、抗生物質をあらかじめ投与することをいい、開腹、開胸を伴う手術等は手術開始直前に抗菌薬を投与することにより、手術後の感染を抑えることが期待されています。 当院でも体制を整え投与率は80%以上となっています。 計算方法: 手術のうち、手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬が投与開始された手術件数/手術件数 ×100% |
臨床指標名 | 当院 令和2年7月~9月 | ※参考値 全国平均値 | ※参考値 同規模病院平均値(300床以上) |
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肺血栓塞栓症予防対策実施率 | 93.8% | 90.9% | 91.5% |
肺血栓塞栓症とは、心臓から肺に血液を送る肺動脈に血栓がつまり酸素を取り込めなくなったり、心臓から血液を押し出せなくなったり、突然死の要因になる病気です。主に血液の流れが停滞すると起こりやすく、大きな手術の後や重症な病気で寝ている時間が長くなると発症リスクが高くなります。そのため発症リスクの高い患者には予防対策を行うことが推奨されています。当院でも90%以上の方に予防対策を実施しています。 計算方法:肺血栓塞栓症予防対策が実施された退院患者数/肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術の退院患者数 ×100% |
臨床指標名 | 当院 令和2年7月~9月 | ※参考値 全国平均値 | ※参考値 同規模病院平均値(300床以上) |
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クリニカルパス使用率【患者数】 | 47.9% | 42.6% | 43.5% |
クリニカルパスとは、良質な医療を効率的、かつ安全、適性に提供するための手段として開発された診療計画表をいい、それが入院患者さんに対し適応された割合を示すのがクリニカルパス使用率です。しかし、緊急時やまれな疾患ではパスの利用が困難なため疾患の割合等も影響します。当院では、パスの作成に力を入れ年々使用率は上昇しています。 計算方法:パス新規適用患者数/新入院患者数×100% |
臨床指標名 | 当院 令和2年7月~9月 | ※参考値 全国平均値 | ※参考値 同規模病院平均値(300床以上) |
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脳梗塞急性期t-PA治療施行率 | 100.0% | 87.2% | 90.6% |
当院では、重症脳梗塞の患者さんに対して、現在、後志地区で唯一24時間血管内治療(血栓溶解薬静脈投与療法(通称t-PA療法)と血管内血栓回収療法の施行)が行える施設です。 いかに後遺症を減らすかは脳血管が詰まってから再開通までの時間が勝負の治療法であり、現在、救急隊への啓蒙活動・院内の迅速な検査体制の整備・技術更新などに取り組んでいます。 計算方法:急性脳梗塞の退院患者のうち、A205超急性期脳卒中加算の算定数/血栓溶解療法がなされた患者×100% |
臨床指標名 | 当院 令和2年7月~9月 | ※参考値 全国平均値 | ※参考値 同規模病院平均値(300床以上) |
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安全管理薬剤指導率 | 74.2% | 40.0% | 46.3% |
当院の診療科の特性により、特に安全管理が必要な医薬品(抗がん剤、血液凝固阻止剤、精神神経用剤など)が使用されることが多くなっています。薬剤師による指導は、全病棟に担当薬剤師を配置し、超急性期を除き可能な限り積極的に行っています。その取り組みにより全国平均を上回る結果となっています。 計算方法:薬剤管理指導料が算定された患者数/特に安全管理が必要な医薬品が投薬又は注射されている入院患者数×100% |
臨床指標名 | 当院 令和2年7月~9月 | ※参考値 全国平均値 | ※参考値 同規模病院平均値(300床以上) |
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入院患者満足度【精神科再掲】 | データ未提出 | 91.3% | 93.0% |
入院患者満足度(看護)【精神科再掲】 | データ未提出 | 92.0% | 92.8% |
紹介率【精神科再掲】 | 55.1% | 58.8% | 68.9% |
逆紹介率【精神科再掲】 | 65.2% | 96.0% | 105.6% |
新入院頻度【精神科】 | 42.5 | 83.2 | 97 |
緊急措置入院件数【精神科】 | 0 | 2.7 | 1 |
措置入院件数【精神科】 | 0 | 4.4 | 1.7 |
退院頻度【精神科】 | 41.3 | 89.6 | 105.9 |
3か月以内の退院率【精神科】 | 63.6% | 79.7% | 80.8% |
退院後3か月以内の再入院率【精神科】 | 11.8% | 16.3% | 15.6% |
在宅復帰率【精神科再掲】 | 78.1% | 79.8% | 78.4% |
救急車来院件数【精神科】 | 4 | 10.7 | 14.1 |
警察関係車両来院件数【精神科】 | 0 | 5.1 | 2.9 |
転倒・転落レベル2以上発生率【精神科再掲】 | 0.00131 | 0.001459 | 0.00137 |
褥瘡推定発生率【精神科再掲】 | 0 | 0.006 | 0.006 |
クリニカルパス使用率(患者数)【精神科再掲】 | 91.2% | 18.9% | 12.8% |
クロザピン処方実人数(入院) | 0 | 11.3 | 2.8 |
クロザピン処方実人数(外来) | 1 | 15.5 | 7.1 |
電気痙攣療法延べ人数(入院:全麻) | 15 | 48.0 | 39 |
作業療法延べ人数(入院) | 555 | 2,013.4 | 1062.5 |
作業療法延べ人数(外来) ※当該期間は、COVID-19対応で外来作業療法を中止していたため、実績はありません | 0 | 139.5 | 105.8 |
訪問看護延べ人数(外来) | 79 | 455.0 | 166.8 |
アルコール依存症患者数【外来】 | 2 | 4.9 | 5.4 |
アルコール依存症患者数【入院】 | 1 | 5.0 | 1.8 |
薬物依存症患者数【外来】 | 0 | 0.9 | 0.7 |
薬物依存症患者数【入院】 | 0 | 1.6 | 0.2 |
3)診療科独自の診療統計指標(精神科)(2019年4月~2020年3月)
1.入退院関連指標
2.入院・外来その他の指標
3.コメディカル関連指標
4.薬剤関連指標