FLS (骨折リエゾンサービス)とは
骨粗鬆症が原因で骨の強度が低下し、小さい外力で生じる骨折を脆弱性骨折(ぜいじゃくせいこっせつ)と呼びます。脆弱性骨折は一度生じると二次性骨折リスク(骨折した後に再び骨折するリスク)が極めて高くなるため、骨折治療を受けた方に再発する骨折を未然に防ぐことは本人のみならず、家族、地域社会、医療経済の面からも非常に重要なことです。
そこで当院では2022年7月より骨折リエゾンサービス(FLS; Fracture Liaison Service)を開始しました。リエゾンとは「仲介」「連携」「橋渡し」を意味するフランス語で、FLSは二次性骨折予防に努めるチームのことです。医師だけでは診療時間に限りがあり、十分な医療を提供できません。そのため。看護師、薬剤師、理学療法士、診療放射線技師、管理栄養士、医療相談員、事務員、メディカルクラークなど様々な職種で協力して各職種の強みを生かして、作業を分担することで、骨粗しょう症治療の開始、継続のお手伝いをしております。

骨粗鬆症マネージャー
日本骨粗鬆症学会が認定する資格で、医師・歯科医師以外の職種で取得ができます。
骨粗鬆症に関するリエゾンサービスの役割を担い、骨粗鬆症治療に関する知識を有するスタッフです。
当院では10名の骨粗鬆症マネージャーが在籍し、骨粗鬆症治療にあたっています。(2025年4月から1名増)
当院では整形外科・骨粗鬆症マネージャーが中心となり、骨粗鬆症治療・検査に関する相談を受け付けています。
現在、治療中の方でも骨密度測定、採血、画像検査を組み合わせて適切な治療を提供しております。
自己注射に自信がない方も御相談ください。
当院におけるFLS導入前後の骨粗鬆症治療・検査率
リエゾンサービス導入後、骨粗鬆症治療率、検査率は大きく改善しています。 当院で治療継続をしている患者様の結果をお示しします。
大腿骨近位部骨折(股関節)、橈骨遠位端骨折(手首)、上腕骨近位端骨折(肩)において、高い治療率を維持できており、多職種でチームを形成して治療にあたっていることが良い結果に繋がっていると考えます。