大動脈解離

 急性大動脈解離とは、大動脈の内膜に亀裂が生じ、そこから血液が流入することで、大動脈が真腔と偽腔に裂けてしまう病気です。症状としては、突然の強い胸の痛み・背中の痛みが特徴です。上行大動脈に解離が存在するものをA型、存在しない場合をB型と分類します。B型の場合は血圧を下げる治療にて対応できる場合が多いのですが、A型の場合は心タンポナーデ(心臓の周りに血液がたまり心臓のポンプ機能が破綻する)や動脈破裂にて死亡してしまう可能性が極めて高いです。そのため救命には緊急手術が必要となります。

 手術方法は解離した脆弱な大動脈を人工血管に置換します。全身麻酔下に人工心肺を装着し全身の体温を25度前後まで冷却し、心臓を止めて行います。手術の危険性は高いですが、現在の医療技術で唯一救命が期待できる治療法です。

術前CT

上行大動脈に解離を認める

上行大動脈に解離を認める

3D-CT:上行~下行大動脈にかけて解離

3D-CT:上行~下行大動脈にかけて解離

 

術後CT

大動脈弓部置換術+オープンステントグラフト法

大動脈弓部置換術+オープンステントグラフト法

 

 

 

 

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