平成24年(2012年)仕事始めの挨拶

皆さん新年明けましておめでとうございます。

 2012年、平成24年、辰年の仕事始めを皆さん方とともに元気に迎えることができましたことを喜ばしく思います。

 昨年は日本、小樽そして市立病院において大きな問題のあった注目すべき年でありました。

 今年は市立病院の統合・新築が本格的に推進して行く年であります。病院新築はこの3月末から着工し、2年半後には開院の運びとなります。このことは病院および市職員だけでなく、市民の念願であり大変喜ばしいことであり、ほっと安堵しているところであります。

 しかしこれは目標の半分で、ハードの面が達成されようとしていることであります。もう半分の目標の病院統合、すなわちソフト面で新病院に相応しいシステム、人事を創り上げるためには今年から直ちに取り組まなければなりません。そうしなければ新病院開院時から円滑、円満な運営を行うことができないからであります。

 この統合、今後の運営に当っては2つの病院のこれまでの経緯、背景、診療および経営内容が異なることから総論は賛成できるが各論、具体的な対応になるといろいろ難しい問題を生じてくることが危惧されます。それゆえ現時点では既に2つの病院が1つになるのでなく1つであるという意識をもつことが必要であります。

 そのためには2つの病院のこれまでのやり方、体制に固執するあるいはお互いの権利を主張し合うのではなく、新病院が円滑に運営され、発展していくためには、個々人が現在そして将来どうすべきかを冷静かつ客観的に考えて、話し合い、歩み寄っていくことが大切であります。

 諺にお互いに主張し、争えば得るものは少なく、不足するがお互い相手を理解し、譲り合えば得るものは多く、余るものであると言う。

 また新しい酒は新しい革袋に盛れ、そうすることで酒と革袋が保たれるとある。これは新しい病院には新しいシステムと人材が必要ということであります。皆さんにはそのことをよく理解され行動されることを切に願っております。

 今年から強化、増強していく方針として6つの事項を挙げます。

  1. これまで述べた新病院に向けてのシステム、人事体制創りに取り掛ること。
  2. 市立病院が現在も将来も小樽、後志地域の医療機関、関係者そして住民から求められる質の高い医療を提供する。特に2次救急患者の対応の整備と体制の充実を図る。
  3. 良好なチーム医療が実施できるように尽力する。これは患者に安心、満足感を与えるだけでなく病院の評価を高めるのに必須である。
  4. 病院で働く職員のモチベーションを高め、維持するように努める。生き生き働く医療者がいてはじめて良い診療や教育が行える。
  5. 病院の診療状況を正確に伝えるための広報活動および地域医療連携の充実を図る。特に紹介率、逆紹介率の向上を目指す。
  6. 現時点の最重点事項は健全な病院経営を実施することである。このため病院経営だけでなく市の財政の実情や見通しを職員全体にしっかり理解してもらうために明確な説明をしていく。経営分析、資料提供には経営管理部に頑張ってもらう。健全な病院経営を行うことでより適切で積極的な医療や医学的な活動が実施できる。

 職員の方々には各々の診療科、部門のことだけを考えるのでなく、絶えず病院全体の経営のことを考えて活動することが強く求められます。個人がいて組織が成り立つのでなく、組織があって個人が活躍できる機会、場所が与えられる。英雄が時代を作るのでなく、時代が必要とする英雄を求めて、活躍させるものである。英雄とは時代が必要とする才能、人格をもつ者である。

 皆さんは今市立病院の統合・新築という極めて重要な時期に必要とされて活動することになります。今年は辰年であり、竜、天に登るという諺がある。これは英雄が時と場所をえて活躍することでありますので皆さんには竜になったつもりで活動、飛躍していくことを大いに期待しております。

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