市民講座を開催しました
5月31日、市立小樽病院、小樽市立脳・循環器・こころの医療センター合同の市民公開講座を開催しました。
1.脳卒中の予防と治療
講師:小樽市立脳・循環器・こころの医療センター
脳神経外科 医長 井戸坂 弘之
日頃から気を付けておきたい脳卒中予防のポイント、治療法の他に、ブレイクタイムと題して、視覚と脳の仕組みの不思議を実際に体験する画像がスクリーンに映し出されると、会場内からは驚きの声が聞かれました。そういった側面からも脳には「主観に捕らわれない柔軟性が大切」と講師より補足がありました。
2.震災時に病院は頼りになるか
講師:市立小樽病院
検査科 医療部長 岸川 和弘
病院内の災害に関する派遣や講習に関わってきた岸川医師からは、実際に2年前の東日本大震災時の医療派遣に行ったときの現場や活動の様子、病院内での災害医療に関する講習会の内容の話、そして小樽市内で実際に大規模災害が起こった際、市立小樽病院では重篤な患者さんを何人見る事ができるかなど具体的な事例を挙げての説明がなされました。
3.備えあれば憂いなし
講師:市立小樽病院
看護師長 日下 亮子
3講座目では、大規模災害時の具体的な初期対応の実演が行われました。
大規模災害時には限られた資源と人材で対処しなければならず、大量のケガ人、病人の中から医療を受ける順番を決める「トリアージ」が行われます。
実演では本物の消防官も登壇し「トリアージ」のシュミレーションが行われました。
万が一大規模災害が起こったときには、トリアージでケガが軽い人と判断された人は重症患者の治療を優先させるために、翌日以降に病院へ行くことも重要ということです。
今回の3講座の講師は、市立小樽病院DMAT(災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チーム)のメンバーであり、特別な訓練を受けている講師により行われました。
講座に先立ち、ロビーには健康チェックや健康相談のコーナーが設けられ、多くの来場者の方たちが参加していました。
講演休憩中に回収した質問用紙では、以下のような質問が寄せられ、医師、病院担当者がそれぞれ回答しました。
- 「脳卒中治療の薬と食べ合わせの悪い食べ物はありますか?」
回答=ワーファリンは納豆などがよくない、その他グレープフルーツも相性の悪い薬があるので、詳細は担当医や薬剤師に相談してください。 - 「(建設中の)新市立病院は津波が来ても大丈夫ですか?」
回答=1階の標高が25M、地下でも20Mありますので、小樽市の作成した津波ハザードマップでの想定をクリアしています。 - 「新市立病院にはヘリポートがありますが、ヘリの購入予定はないのですか?」
回答=ヘリは大変高額なものなので、今のところ購入予定はありません。
次回の市民講座は秋頃を予定しています。近くなりましたら内容、日程をホームページでお知らせいたします。
また、健康教室「膝関節痛の予防体操」は6月29日(土)14時より、市立小樽病院6階講堂にて開催いたしますので、興味のある方はぜひご参加ください。詳細は病院局お知らせよりご覧ください。