医師会会員研究発表会での受賞について

第100回小樽市医師会会員研究発表会で当院新谷好正副院長(脳神経外科)が最優秀賞を受賞しました。
最優秀賞は学術的価値が高く、臨床医学の発展に大きく寄与する発表が表彰を受けるものです。

演題名

MRIのみで作成した頸動脈内膜剥離術の術前表画像の有用性

抄録

頸部頸動脈狭窄症の診断には、プラークの位置や形態、石灰化、狭窄度、頸椎や下顎骨との関係といった詳細な情報が必要である。通常は脳血管造影や3DCTAが用いられるが、腎機能障害や造影剤アレルギーがある症例では非造影検査が望まれる。我々はMRIのFRACTURE法を用いて骨構造や石灰化を描出し、MRAと融合した画像を作成し、CEA(頸動脈内膜剥離術)の術前評価に活用している。この画像を主に検討して手術を行った8例を検討した。FRACTURE法で頸椎、下顎骨、頭蓋骨の骨構造とプラーク周辺の石灰化を描出し、MRAと融合して立体画像を作成。さらにBB法で不安定プラークの位置も3D化した。結果、全例で病変レベルの描出と術中所見が一致した。病理検査でも画像所見と一致し、不安定プラークの位置は術中の露出範囲の判断に役立った。本法では3DCTAに匹敵する情報を得られ、CEAの術前評価に有用である。今後、精度向上と対象拡大により、放射線被曝を伴う造影検査が不要になる可能性がある。

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