新病院開院に向けての事務職員の意識改革

(平成24年4月の定期異動に際し病院局事務職員へのメッセージ)

 平成24年度小樽市立両病院の事務部門の合同歓送迎会に多くの方々が出席されたことを喜ばしく思います。この度病院を去られた6名の職員の皆さんにはご苦労様と慰労の意を表するともに新しい職場での活躍を期待しております。

 一方新たに両病院で働くことになった10名の職員の皆さんには心から歓迎の意を表するともに早く仕事に慣れ我々の戦力となってよく働いてくれることを大いに願っております。

 さて4月9日の週の月曜日に議会の病院特別委員会そして木曜日に市の新病院建設検討委員会において新病院建設の改めての発注入札に関する話し合いが行なわれました。そこでの一致した意見は新病院建設が遅れることなく予定通り開院されるよう最大限配慮することでした。それで来週の月曜日の4月19日に企業向けに改めて入札公告を出し、5月23日に入札執行をして25日に企業を決定する予定であります。

 今回の入札で建設企業が決まらなければ大変なことになりますのでそれを防ぐためにゼネコンと地元企業との共同体だけでなく単独でも参入出来るようにしたわけであります。現在の状況、情報を総合的に判断しますとうまく事が運ぶ確率が高いと信じております。

 このように大変苦労して出来上がる新病院のハード面の建設でありますので我々としてはどうしてもソフト面の運営と機能面をしっかり創り上げなければなりません。

 そのためには病院管理、運営のシステムの構築と人材の育成に特に力を注ぐことが我々に課せられた重大な義務と責任であることをしっかり認識して行動することであります。

 今後の活動方針として私は現在2つの病院が統合するまでの2年間と新病院がスタートしての2年間の4年間が新病院の将来と発展を決める極めて重要な時期であると考え、慎重かつ積極的な活動を行なっていく覚悟であります。

 これからの2年間は現在10ある両病院合同委員会の活動を活発化し、最大限活用していくことにします。

 特に今年の24年度において最優先して力を入れる活動は病院機能評価取得の推進を図ることであります。これは両病院のこれまでの診療内容と体制を客観的に見直すとともにその作業過程において職員に対する教育、啓発活動を行っていくことにします。次に両病院の診療状況を正しく理解してもらうための広報活動に力を入れることにします。

 これには市民、地域住民向けと医療者向けの2つがあります。

 特に新病院が地域医療支援センターを目指すためには地域の病院とクリニックとの連携が必須になります。従って地域連携室の充実と強化を図ることにします。今述べた3つの活動に当る委員会には事務職員が加入しておりますのでその存在が評価されるように一生懸命頑張られることを切望します。

 これからの病院の事務職員の仕事と役割についてしっかり理解することが大切です。

 まず1つ目はこれまでのように書類の整理や作成、数値を出して図表を作成、病院業務の雑用をこなすのではなく作成したデータの分析、数値の意味すること、また医療現場だけでなく社会状況の微妙な変化を正確に読みとり、必要な情報を積極的に発信し、役立てるように心掛けることであります。

 2つ目は病院という大きな組織の歯車が力強く動くためには多くの小さな歯車が組み重なって力を出し、力を伝え合う必要があります。多くの歯車が円滑に動くには潤滑油が必要になります。病院で潤滑油の役割を果すのが事務職の役割であることを認識してほしいと思います。

  3つ目は病院の経営面で収益を上げるうえに大きな役割を果すことであります。収入面に関しては医師はじめコメディカルの医療者が頑張るが支出面に関して、無駄な経費削減、有効な人的活用についてのきめ細い検討、実施を事務部門で行っていくことが求められます。企業において経営を建て直した組織の多くは「入るを図るより、出るを抑えること」に心掛けて成功しております。

 それでは最後に当病院の事務職員が成長するに当って心掛ける要因について話をします。

 まず当病院の事務職員は公務員であり役人であります。この役人には役に立つ人と役立たずの人の2つに分けられます。その差は一寸した心掛けによって生ずるわけであります。まず分からない事があったら直ちに周囲の人達に素直に聞くことであります。「聞くは一時の恥聞かずは末代の恥」と言われます。次に「百聞は一見に如かず」と言われます。問題点について何度も聞くよりもそれを実際に見た方がよく分かるということです。是非現場を見るように心掛けて下さい。そして口が軽いよりも腰が軽いことの方が大切であります。口先の者よりも直ちに行動する人の方が信頼されます。

 これから個人そして組織が成果を上げるために必要なことは「ホウレンソウ」体制がしっかりといつも作動していることであります。すなわち正確な報告が行われ、必要な箇所への迅速な連絡が行われ、そして解決に必要な人達による適切な相談が行なわれることであります。

 しかしそれだけでは成果を上げることはできません。すなわち相談したことを直ちに実行に移し、その過程をチェックし、必要に応じて修正して活動することであります。当病院にもそのような体制が出来て、円滑に実施されることが必要になります。

 これまで事務職員の果たす仕事、役割を述べてきましたが本日出席の戦略会議のメンバーの方々には事務職員とのコミュニケーションをよくとり、彼らを上手に活用していくことが円滑な運営をするうえに極めて大切であることをよく理解されたものと思います。

 両病院事務職員の皆さんが元気で活躍されることを念願して挨拶と致します。

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