平成27年度 小樽市立病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 108 59 66 111 252 502 1,485 2,181 1,787 334
※解 説
平成27年4月1日から平成28年3月31日までの総退院患者数は、7,120名で、うち6,885名が今回の病院指標の分析対象患者となります。
一番割合が高い退院患者年齢層は、70歳~79歳までの2,181名で、全体の約32%を占めます。次いで、80歳~89歳までの1,787名で約26%です。
本市は、平成26年に北海道内の人口10万人以上の9市の中で初めて35%を超えた自治体であり、直近(平成28年8月末現在)の
高齢化率は37.79%に達し、今後も高齢者の割合が増えると考えられます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 59 16.24 14.34 8.47 82.97
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 50 15.86 18.30 8.00 84.56
100070xxxxxxxx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 40 19.15 15.35 2.50 62.30
※解 説
【内科】は、「リウマチ科」「糖尿病内科」「腎臓内科」の診療科および「開放型病床(オープン病床:22床)」が該当します。
リウマチ科は、関節リウマチや膠原病に対する免疫抑制療法や、免疫抑制療法に伴う重症な感染症に対して入院で治療を行っています。
糖尿病内科は、糖尿病合併症予防のための内服治療や自己注射治療だけでなく、糖尿病について学んでいただく糖尿病教育入院や、糖尿病外来教育プログラムなども行っております。

開放型病床は、市内の開業医が使用できる病床ですが、ここでは通院治療が困難な肺炎・心不全等の治療を入院して行う事ができます。合併症により入院期間が長期に及ぶケースが多い特徴がありますが、高齢にもかかわらず2週間前後での退院が出来ております。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 57 18.53 14.34 17.54 75.68
040040xx9904xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-4あり 54 15.98 13.38 0.00 71.80
040040xx99100x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 40 2.70 3.29 0.00 71.58
※ 解 説
日本人の死因の第一位は癌であり、特に肺癌は癌死の中で男性では第一位、女性でも第二位となっており増加しております。
当科では肺癌に対して積極的に気管支鏡検査やPET/CTなどの検査を施行し、手術不能な状態であれば化学療法や放射線治療を入院及び外来で行っています。
肺炎は日本人の死因の第三位となっております。特に高齢化に伴い市中肺炎のほかにも誤嚥性肺炎が増加しております。
当科では肺炎治療も積極的に行い、また必要に応じて個人に合わせた酸素療法も行っております。嚥下機能が低下して誤嚥性肺炎を起こした患者には言語聴覚士と連携し、嚥下機能評価などを行い誤嚥性肺炎の再発予防にも努めています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 手術・処置等2なし 44 10.93 9.20 0.00 75.18
060190xx99x0xx 虚血性腸炎 手術なし 手術・処置等2なし 30 8.67 9.26 0.00 70.03
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 27 8.26 10.93 0.00 74.04
※ 解 説
症例数1位は、早期胃癌のESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)入院で、消化器内科医が内視鏡で早期胃癌を切除する方法です。
  〃 2位は虚血性腸炎に対する保存的な治療での入院です。
  〃 3位は総胆管結石(総胆管結石性胆管炎含む)に対して、ERC (内視鏡的逆行性胆管造影検査) 関連手技で結石の除去や胆のうドレナージを行った入院となっています。
大腸ポリープに対してEMR(内視鏡的粘膜切除術)を行った入院は、206症例有りました。(短期滞在手術料3での算定のため、上部表には表示されていません。)
この他、内視鏡検査、治療件数の詳細は診療科紹介:消化器内科のホームページに記載しておりますので、ご覧ください。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1-1あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 177 4.01 3.07 1.13 70.99
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1-なし、1,2あり 手術・処置等2なし 73 7.70 4.87 4.11 72.99
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1-なし、1,3あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 35 10.74 11.76 0.00 77.89
※ 解 説
症例数1位は、心血管カテーテル検査目的の入院です。
  〃 2位は、虚血性心疾患に対する血管内カテーテル治療の入院です。
  〃 3位は、ペースメーカー治療目的の入院です。

平成27年度に当科で実施した心血管カテーテル検査は413件あり、うち177症例が症例数1位のDPCコードとなりました。また、虚血性心疾患に対する血管内カテーテル治療は132件あり、うち73症例が症例数2位のDPCコードとなりました。血管内カテーテル治療のうち、残りの59件は急性心筋梗塞に対するものが41件、心不全に対するものが7件、その他の疾患に対するものが11件となりました。検査・手術件数とDPCコードは必ずしも一致しませんが、いずれにしても上位の症例が当科の特徴となっています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060040xx99x60x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-6あり 副傷病なし 62 3.65 4.51 0.00 59.60
060035xx0101xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2-1あり 34 25.53 30.64 0.00 76.38
060020xx01x1xx 胃の悪性腫瘍 胃全摘術 悪性腫瘍手術等 手術・処置等2-1あり 24 29.04 37.09 4.17 73.42
※ 解 説
当科では消化器や乳腺・甲状腺などの良性・悪性疾患の外科治療を行っております。
各種がんに対する放射線治療や乳房温存治療後に必要となる放射線治療を継続して行うことができます。
最近は内痔核に対して薬による硬化療法も行なっています。
いつ発生するかわからない緊急手術に備えて外科スタッフは常時当番制で待機してこれに対応しています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1-なし、1あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 46 5.74 5.99 2.17 74.59
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2なし 28 16.86 13.19 7.14 78.64
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1-1あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 27 3.04 3.07 0.00 73.48
※解 説
症例数1位は、末梢血管に対するカテーテル治療目的の入院です。
 総数46件のうち、43件は下肢閉塞性動脈硬化症に対する血管拡張術目的の入院で、平均在院日数(当院)は5.33日となります。
 残りの3件は急性動脈閉塞に対する緊急治療であったため、平均在院日数(当院)は11.67日となります。
症例数2位は、腹部・胸部大動脈瘤に対するステントグラフト治療目的の入院を指します。
症例数3位は、冠動脈カテーテル検査目的の入院を指します。

平成27年度に当科で施行した手術総数は325件、内訳は、心臓大血管手術38件、腹部大動脈瘤手術36件、閉塞性動脈硬化症手術98件、下肢静脈瘤手術26件、内シャント手術50件となっています。手術件数とDPCコードは必ずしも一致しませんが、DPCコードに基づく患者数の順位は、上記のとおりです。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x099030x 脳梗塞(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-3あり 副傷病なし 90 20.87 18.08 45.56 70.29
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 60 11.95 10.02 15.00 77.33
010060x099000x 脳梗塞(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 34 20.21 15.80 47.06 79.82
※解 説
脳梗塞は分類が多岐にわたり、治療法も少しずつ異なるため、上記のように一つの分類毎の患者数は脳梗塞全体に比べるとかなり少なくなります。
症例数1位は、脳梗塞の治療目的入院で脳保護剤(エダラボン)を使用した症例です。
  〃 2位は、外傷性慢性硬膜下血腫に対して、慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術を行った症例です。
  〃 3位は、脳梗塞の治療目的入院の症例です。

脳梗塞は、できるだけ早く治療を開始することにより、神経症状を軽減させることが出来る疾患です。当科は、SCU(脳卒中ケアユニット)を有し、発症直後から脳卒中患者の適切な治療とリハビリテーションを組織的・計画的に行う脳卒中専用の治療を行っており、早期の自宅復帰を目指しています。急性期治療を過ぎた患者で更なるリハビリテーションが必要な方には、脳卒中地域連携パスを用いて当院と連携した回復期リハビリテーション病院に転院してリハビリテーションを行って頂くことがあります。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 46 31.09 28.70 71.74 82.89
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病なし 23 21.70 21.52 43.48 77.96
070160xx01xxxx 上肢末梢神経麻痺 手根管開放手術等 19 6.79 5.88 0.00 77.89
※解 説
整形外科では、各種の運動器の救急外傷(脱臼、骨折、捻挫等のけが)の診察や治療を24時間体制で行っています。
詳しくは、当院のホームページ「診療科・各部門紹介」の整形外科のページをご覧ください。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし 32 2.84 3.54 0.00 74.00
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし 31 4.55 4.38 0.00 54.94
080011xx99xxxx 急性膿皮症 手術なし 17 17.41 11.97 0.00 74.59
※解 説
当科は、眼瞼下垂に対する手術目的の入院が1番目に多く、皮膚腫瘍(良性)に対する摘出術目的の入院が2番目に多くなっています。これら上位2症例で入院患者数の約17%となります。
3番目に皮膚膿瘍、蜂窩織炎を含む急性膿皮症に対する治療目的の入院が多くなっています。この患者数に、手術を実施した患者数は含まれておりませんが、皮膚の壊死があれば壊死部分を切開することもあります。
また、この表の症例以外にも褥瘡(床ずれ)等も扱っており、スキンケアを専門に行う認定看護師(WOC)と共に治療に当たっています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 31 3.00 5.50 0.00 3.26
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 副傷病なし 22 6.68 6.31 0.00 4.00
040080x1xxx0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳未満) 手術・処置等2なし 15 4.20 5.72 0.00 4.20
※解 説
小児のあらゆる症状や訴えに対応した一般診療を行い、必要に応じて専門科(院内他科や院外他施設)と連携をとって診療に当たっています。外来での治療は勿論のこと、入院が必要な場合にも対応しています。専門外来は心臓病(先天心疾患、川崎病、不整脈など)が毎週、神経外来(てんかん、神経筋疾患など)が年2回(北海道大学病院神経専門医が対応)開いています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 58 12.05 7.59 1.72 76.19
11012xxx040x0x 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 手術・処置等1なし 副傷病なし 50 2.00 2.89 4.00 62.52
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患 その他の手術あり 副傷病なし 42 2.81 6.90 64.29 81.71
※解 説
当科では膀胱癌の経尿道的手術目的の入院が最も多いです。膀胱癌の手術は経尿道的手術の他に経尿道的手術の後に膀胱内注入療法を行う場合や、膀胱全摘術を行う場合もあります。
次いで、腎や尿管結石に対して行う体外衝撃波による腎・尿管結石の破砕術目的の入院です。当院では体外衝撃波結石破砕装置を設置しており、尿路結石治療にも積極的に取り組んでいます。
また、腎や尿管結石に対して、尿の通過障害を防止するための経尿道的ステント留置術目的の入院も多いです。
婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 20 6.35 5.33 0.00 62.85
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 12 12.17 10.18 0.00 49.67
120110xx99xx0x 子宮・子宮附属器の炎症性疾患 手術なし 定義副傷病 なし - - 7.84 - -
※解 説
当院では婦人科の一般診療、良性疾患から悪性腫瘍に対して、診断から治療まで広く対応しています。入院治療を行った症例数第一位は子宮の悪性腫瘍に対して化学療法を行った症例です。化学療法は繰り返して行うため、統計上、延べ入院数が多くなりますが、近年は外来化学療法を受けられる患者さんも増えています。また、悪性腫瘍に対しては、放射線治療科との連携により放射線治療を行うことも可能です。症例数の第二位は子宮筋腫や子宮腺筋症に対して子宮摘出術(腹式)を行った症例です。この他、卵巣悪性腫瘍に対する化学療法を行う入院や、卵巣腫瘍に対する手術のための入院などがあります。
※(-)10症例未満であり、ゼロではありません。

入院症例数は上記のとおりですが、外来診療も含め、検査や治療方法については、患者様やご家族としっかりとご相談しながら、ご希望や状況に適した治療を安心して受けていただけるよう心がけております。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020200xx99x4xx 黄斑、後極変性 手術なし 手術・処置等2-4あり 56 2.00 2.53 0.00 79.48
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 手術・処置等2なし 片眼 15 5.00 8.62 0.00 71.27
020200xx9711xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2-1あり 11 8.91 11.07 0.00 71.45
※解 説
当科の入院は多くが手術目的となります。最も多い症例は白内障ですが、DPC対象症例ではないため上記表には記載されません。
加齢黄斑変性症の治療である硝子体内注射の約半数が1泊2日の入院で行われており、次いで糖尿病網膜症に対する硝子体手術、黄斑円孔・網膜前膜に対する硝子体手術目的の入院が続きます。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 55 7.93 7.76 0.00 65.15
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 48 6.81 5.31 0.00 70.67
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 23 5.65 5.53 0.00 38.65
※解 説
慢性副鼻腔炎に対する手術目的で入院する患者さんが最も多く、55人となっています。これらの患者さんの中には、鼻茸が発生している事も多く、慢性副鼻腔炎の手術時に取り除き、病理診断にて悪性ではないことを確認しています。
2番目に多い入院はめまい(前庭機能障害)に対する治療目的で、中には救急車で搬送される方も多く、点滴治療等で症状を緩和し退院となります。
3番目に多い入院は、扁桃炎・扁桃周囲炎に対する治療目的で、他の疾患と比べ平均年齢が38歳ほどと、比較的若い年代の入院もあります。
当科は上位3つの疾患で入院患者の約5割を占めます。
なお、当院は小樽市内で唯一、耳鼻咽喉科の入院施設を有しています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 53 21 21 22 - 34 1 7
大腸癌 19 41 34 - 25 133 1 7
乳癌 27 24 12 14 10 22 1 7
肺癌 - - 35 118 21 10 1 7
肝癌 - - - - - 28 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
※解 説
5大癌とは、発症症例数が多いとされる胃癌、大腸癌、肝臓癌、肺癌、乳癌をいいます。
UICC(国際対がん連合)が定めた腫瘍の病期分類があり、T(原発腫瘍の拡がり)、N(所属リンパ節転移の有無と拡がり)、
M(遠隔転移の有無)を評価し、それを指標に癌の進行度と拡がりの程度を、一度に表わすことが出来るように作られたのがStage分類です。
この指標では、当院が入院治療を行った5大癌のStage分類毎の患者数を示しております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
重症度 0 12 13.75 60.58
重症度 1 29 14.34 78.86
重症度 2 32 18.44 83.75
重症度 3 14 26.29 82.00
重症度 4 - - -
重症度 5 - - -
不明 - - -
※解 説
市中肺炎とは、普段の社会生活を送っている中で罹患した肺炎をいいます。
重症度は、治療方針決定のために「尿素窒素(BUN)」「動脈血酸素飽和度(SPO2)」「血圧」の結果及び「意識障害」「免疫不全状態」「肺炎重症度規定因子」を用いて重症度を分類しています。

当院では、軽症(重症度0)の場合は外来治療が基本となりますが、患者さんの状態によって入院しての加療となる場合があります。
中程度(重症度1~2)の患者数が一番多くなっており、重症(重症度3)または超重症(重症度4~5)と重症度が増すにつれ、在院日数も延びる傾向にあります。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 213 26.70 74.38 51.50
その他 20 20.35 75.85 3.86
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 39 9.54 72.26 2.33
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内 - - - -
その他 - - - -
※解 説
脳梗塞とは、脳に栄養を与える動脈の閉塞または狭窄のため脳虚血を来たし、脳組織が酸素または栄養の不足のため傷んでしまうことをいいます。また、それによる諸症状が脳梗塞後遺症と呼ばれることがあります。
この指標では、発症日の違い(急性期、慢性期)による転院率、入院期間の違い等について示しています。
(病院指標の作成ルールに則り、症例数が10未満の場合は表示されません。)
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント設置術 12 10.83 18.75 16.67 73.42
- - - - - - -
- - - - - - -
※解 説
上記の症例については、腎臓内科が担当診療科となります。
透析導入前に計画的にシャントを作成する場合と、透析導入時にシャントを作成した場合が上記のデータに混在しています。
透析導入前の計画入院と、透析導入時にシャント手術したケースの比率によっては、平均入院日数が変動します。
当科では、なるべく導入前に計画的にシャント手術する方向で診療を進めています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 206 0.51 1.31 0.00 69.02
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 44 1.32 8.64 0.00 75.09
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 26 10.85 19.08 7.69 73.04
※解 説
内視鏡結腸ポリープ・粘膜切除術は、大腸腫瘍に対して大腸内視鏡による手術であり、入院として206件行われました。大腸ポリープの内視鏡手術は外来での日帰り手術も行っています。
内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層)は、早期胃癌等の胃、十二指腸腫瘍に対する内視鏡手術で、44件行っています。
抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置術は、がんの化学療法を中心静脈より行う際に、必要となる器具を体内に埋め込むための手術です。入院中に、外科医にて施行される手術ですが、手術後は消化器内科医によって引き続き化学療法を行います。
この他、内視鏡検査、治療件数の詳細は診療科紹介:消化器内科のホームページに記載しておりますので、ご覧ください。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 75 4.67 4.36 6.67 72.92
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合) 33 7.33 7.73 6.06 80.36
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞に対するもの) 27 0.11 18.26 22.22 70.37
※解 説
当科における血管内カテーテル治療実績は年々増加傾向にあります。
当科では、特に狭心症・心筋梗塞の低侵襲カテーテル治療・高血圧・禁煙治療に力を入れており、左記のカテーテル治療は、
経皮的冠動脈ステント留置術として1位・3位としてそれぞれ計上されています。
心疾患の精査・治療前の診断目的や治療後の定期検査として、心血管カテーテル検査の入院も多く診ています。
また、ペースメーカー移植術の患者数が2位となっております。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 55 1.78 7.35 3.64 65.73
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 41 1.29 4.73 0.00 72.27
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 35 0.94 3.97 0.00 68.66
※解 説
消化器や乳腺・甲状腺などの良性・悪性疾患の外科治療を行っております。
手術の動向、実績(H27年度)は下記のとおりで、クリニカルパスを用いて手術の標準化と患者QOLの向上に努めています。

胃悪性腫瘍手術30件(開腹22件、腹腔鏡下8件)、甲状腺手術9件、上皮小体手術3件、乳腺悪性腫瘍手術31件、胸腔鏡下肺部分切除術4件、腹腔 鏡下肺葉切除術1件、肝切除術4件、肝嚢胞開窓術1件、十二指腸悪性腫瘍手術2件、膵悪性腫瘍手術5件、胆嚢摘出術50件(開腹2件、腹腔鏡下48件)、 大腸悪性腫瘍手術63件(開腹21件、腹腔鏡下42件)、鼠径ヘルニア76件(直視下45件、腹腔鏡下31件)、腹壁瘢痕ヘルニア手術10件(直視下9 件、腹腔鏡下1件)、食道裂孔ヘルニア手術2件(開腹1件、腹腔鏡下1件)、虫垂炎切除術20件(開腹9件、腹腔鏡下11件)、腸閉塞手術8件、痔核手術 20件、CVポート造設術97件、その他176件
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 47 1.47 3.19 6.38 73.98
K6146 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈) 28 4.75 15.32 7.14 69.50
K617-2 大伏在静脈抜去術 24 1.08 1.42 0.00 67.63
※解 説
症例数1位は、末梢血管に対するカテーテル治療目的の入院です。総数47件のうち、43件は下肢閉塞性動脈硬化症に対する血管拡張術目的の入院で、平均術前日数は1.52日、平均術後日数は2.95日となります。残りの4件は、急性動脈閉塞に対する緊急治療等であったため、平均術前日数は0.75日、平均術後日数は5.75日となります。
症例数2位は、末梢血管に対する血管移植術・バイパス移植術目的の入院です。
症例数3位は、下肢静脈瘤の治療目的入院です。

平成27年度に当科で施行した手術総数は325件、その内訳は、心臓大血管手術38件、腹部大動脈瘤手術36件、閉塞性動脈硬化症手術98件、下肢静脈瘤手術26件、内シャント手術50件となっています。DPCのデータとしては、閉塞動脈硬化症関連の手術が上位を占めています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 64 1.08 12.52 21.88 78.80
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 45 3.47 24.49 35.56 65.04
K6092 動脈血栓内膜摘出術(内頸動脈) 40 4.38 10.18 10.00 72.48
※解 説
症例数1位は、外傷性慢性硬膜下血腫に対して、慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術を行った症例です。
  〃 2位は、くも膜下出血および未破裂脳動脈瘤に対し、脳動脈瘤クリッピング術を行った症例です。
  〃 3位は、内頸動脈狭窄症に対して動脈血栓内膜剥離術を行った症例です。
DPCのデータ上からは、上記が症例件数の多い主要手術別の上位3手術です。

平成27年度に当科で施行した手術総数は533件、その内訳は、くも膜下出血に対する手術(クリップ22件・コイル塞栓術10件)、未破裂脳動脈瘤の手術(クリップ34件・コイル塞栓術6件)、頸動脈内膜剥離術40件、頸動脈ステント留置術8件、脳血管バイパス手術6件、脳出血に対する血腫除去術43件等となっております。詳しくは、当院ホームページの「診療科・各部門紹介」の「脳神経外科」のページをご覧ください。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 33 6.15 23.55 66.67 81.45
K093 手根管開放手術 17 1.41 1.64 0.00 76.29
K081-41 関節鏡下肩腱板断裂手術(簡単なもの) 15 1.53 48.53 0 71.67
※解 説
平成27年度に当科で施行した手術総件数は340件、その内訳は、四肢骨折手術129件、
人工関節置換術(人工骨頭挿入含む)44件、腱板修復術23件などになっています。
詳しくは、当院のホームページ「診療科・各部門紹介」の整形外科のページをご覧ください。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2193 眼瞼下垂症手術(その他のもの) 21 0.76 1.05 0.00 73.10
K0912 陥入爪手術(爪床爪母の形成を伴う複雑なもの) 13 0.85 1.46 0.00 62.69
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 12 0.83 3.92 8.33 83.17
※解 説
当科の手術は、眼瞼下垂の手術件数が1番多く、陥入爪手術が2番目、皮膚の悪性腫瘍手術が3番目となります。眼瞼下垂の手術は両眼を一度に行う場合と、片眼のみ行う場合に分かれますが、入院期間に差はありません。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 90 0.86 3.41 35.56 79.68
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他のもの) 85 1.48 10.01 1.18 76.46
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 53 0.15 1.11 3.77 62.87
※解 説
当科で多い手術は経尿道的尿管ステント留置術です。尿管結石や尿管狭窄等による尿の通過障害を防止するために行います。
次に膀胱癌に対する経尿道的手術、腎や尿管の結石に対して行う破砕術が続きます。
婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877 子宮全摘術 20 3.40 7.85 5.00 55.35
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 11 5.73 25.73 9.09 72.09
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※解 説
当科の手術件数第一位は子宮筋腫や子宮腺筋症に対する子宮摘出術(腹式)です。子宮摘出術では開腹手術が最も多くなりますが、状況に応じて膣式手術や腹腔鏡下手術も行っています。子宮筋腫は、月経過多や月経痛、腹部腫瘤感などの症状がある場合に治療をお勧めします。治療方法には、薬物療法(ホルモン治療)の他、筋腫核出術、子宮全摘術などの選択肢があります。
手術件数第二位は、化学療法を行うための中心静脈ポート留置術です。化学療法は繰り返し行うことによる細い静脈へのダメージや、点滴がもれてしまうなどの合併症を軽減する目的で、ほとんどの場合に、埋め込み型カテーテルを用いて治療を行っています。
上記の他、卵巣良性腫瘍に対する腫瘍摘出術では、開腹手術の他、腹腔鏡手術も積極的に行っています。また年齢とともに増加する子宮下垂や子宮脱に対しても、保存的治療の他、状況に応じて手術を行っています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 436 2.82 1.05 0.92 75.65
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) 73 0.68 6.21 1.37 70.33
K279 硝子体切除術 19 1.74 3.89 0.00 74.42
※解 説
当科で実施する手術の多くは白内障手術(水晶体再建術)です。基本的には入院での加療を行っています。順番待ちを短縮できるよう努めておりますが、予約には数か月を要します。
次いで、糖尿病網膜症や網膜前膜、黄斑円孔、網膜剥離等の網膜硝子体疾患に対する硝子体手術です。患者さんの状態によっては上記の白内障手術と同時に行うことになります。また後志管内で硝子体手術を行っている施設は当院のみとなります。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 35 1.09 6.34 0.00 65.17
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 23 1.04 6.35 0.00 22.65
K3892 声帯ポリープ切除術(直達喉頭鏡によるもの) 13 1.00 5.92 0.00 58.85
※解 説
当科で最も多い手術は、内視鏡下の鼻・副鼻腔手術です。平均8日間の入院手術となります。
次いで、習慣性扁桃炎、または睡眠時無呼吸症候群に対する口蓋扁桃手術、声帯ポリープに対する声帯ポリープ切除術が続きます。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 70 1.02
異なる - -
※解 説
 この指標は、医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌症、手術・処置の合併症について、入院契機病名(入院のきっかけとなった傷病)の同一性の有無を区別して対象患者数と発症率を示したものです。
更新履歴
2016年9月27日
平成27年度病院指標を公開しました。